SEC対リップル、2025年和解で決着――XRPはリテールで「証券外」に、業界への影響と今後の展望

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コラム

リップル(Ripple Labs Inc.)と米国証券取引委員会(SEC)との間で2020年12月に始まった訴訟は、2025年に最終的な和解に至り、暗号資産業界に大きな影響を与えました。この訴訟は、リップルが発行する暗号資産XRPの販売が未登録の証券取引にあたるかどうかが争点となり、米国の暗号資産規制の方向性を示す重要なケースとなりました。

訴訟の背景とSECの主張

SECは2020年12月、リップルと同社の幹部2名に対し、XRPの販売が証券法に違反する未登録証券の提供にあたると訴えを起こしました。SECの主張によると、リップルは2013年以降、XRPを通じて資金調達を行いながら、これを証券として登録せずに販売していたとされます。また、幹部個人も約6億ドル相当のXRPを未登録で販売したと指摘されました。さらに、リップルは労働やマーケットメイキングなどのサービスと引き換えに数十億XRPを配布し、これも証券規制違反に該当するとされました。

裁判の経過と部分的勝利

訴訟は長期化しましたが、2023年7月に連邦裁判所のアナリサ・トーレス判事は、リテール(一般投資家向け)でのXRP販売は証券に該当しないとの部分的な判断を下しました。ただし、機関投資家向けの販売については証券に該当すると区別されました。この判決はリップルにとって重要な勝利でしたが、SECは2024年10月にこの判決に対して控訴を行い、訴訟は継続しました。

政治的変化と訴訟の終結

2024年11月のドナルド・トランプ元大統領の再選に伴い、SECの規制姿勢にも変化が見られました。2025年初頭にはSECが控訴を取り下げる動きを見せ、3月には正式に控訴を撤回しました。これにより、5月にはリップルとSECの間で最終的な和解が成立しました。和解内容は、リップルが5,000万ドルの罰金を支払うことで、2024年8月に命じられた1億2,500万ドルの罰金から大幅に減額されました。

この和解により、XRPは二次市場において証券ではないと明確に位置づけられ、暗号資産業界にとって重要な規制上の明確性がもたらされました。和解発表後、XRPの価格は2018年以来の高値水準に達するなど、市場にも好影響を与えました。

SECとリップル訴訟の意義と今後の展望

この訴訟は、米国における暗号資産の規制方針に大きな影響を与えました。SECの「規制による執行(regulation by enforcement)」と呼ばれる強硬姿勢に対し、裁判所の判断や政治的変化が規制の柔軟化を促した形です。特に、リテール向けの暗号資産取引が証券に該当しないとの判決は、今後の暗号資産の普及にとって追い風となるでしょう。

一方で、機関投資家向けの販売が証券に該当するという区別は、今後の暗号資産の流通や取引形態に一定の規制枠組みを残すことを意味します。リップル自身も、RLUSDというステーブルコインの発行やHidden Roadの買収など、ユーティリティを重視した事業展開に注力しており、法的な明確性を得たことでさらなる成長が期待されています。

また、米国以外の規制環境もリップルにとって追い風となっています。例えば、シンガポールではリップルが主要な決済機関ライセンスを取得し、XRPの決済資産としての利用が進んでいます。これにより、国際的な送金や決済の効率化にXRPが貢献する可能性が高まっています。

SECリップル訴訟の影響と暗号資産市場の動向

SECとリップルの訴訟は、暗号資産市場における規制の不確実性を大きく軽減しました。これにより、投資家や企業はより安心して暗号資産を利用・取引できる環境が整いつつあります。特に、XRPの法的位置づけが明確になったことで、金融機関や決済サービスプロバイダーによる採用が進むことが期待されています。

ただし、規制の明確化は市場の安定化に寄与する一方で、依然としてマクロ経済の動向や他の暗号資産の規制動向に影響を受けるため、価格変動のリスクは残ります。今後もSECをはじめとする規制当局の動向や、新たな法整備の進展に注目が必要です。

リップルの今後の戦略と展望

リップルは、SECとの訴訟解決を契機に、XRPのユーティリティ向上に注力しています。具体的には、国際送金の効率化を目指した技術開発や、RLUSDステーブルコインの展開、Hidden Roadの買収による市場流動性の強化など、多角的な事業展開を進めています。

これらの取り組みは、XRPを単なる投資対象ではなく、実用的な決済手段や流動性資産としての地位を確立することを目指しています。結果として、リップルはグローバルな金融インフラの一翼を担う存在としての成長が期待されています。

SECリップル訴訟に関するよくある質問

  • Q: SECはなぜリップルを訴えたのですか?
    A: XRPの販売が未登録の証券取引にあたるとSECが判断したためです。
  • Q: 訴訟はどう決着しましたか?
    A: 2025年に和解が成立し、リップルは罰金を支払い、XRPの法的位置づけが明確になりました。
  • Q: この訴訟の影響は何ですか?
    A: 米国の暗号資産規制の方向性に影響を与え、XRPの市場利用が促進されました。
  • Q: 今後のリップルの展望は?
    A: ユーティリティ重視の事業展開を進め、国際送金や決済分野での利用拡大を目指しています。

まとめ

SECとリップルの訴訟は、2020年の提訴から約5年にわたる法廷闘争を経て、2025年に和解で終結しました。この訴訟は、XRPの法的位置づけを明確にし、米国の暗号資産規制に重要な示唆を与えました。和解により、XRPはリテール市場で証券に該当しないと認められ、暗号資産市場の透明性と安定性が向上しました。リップルは今後、技術開発と事業拡大を通じて、グローバルな決済インフラの一翼を担うことを目指しています。

SEC対リップル、2025年和解で決着――XRPはリテールで「証券外」に、業界への影響と今後の展望をまとめました

SECとリップルの訴訟は、暗号資産XRPの規制上の位置づけを巡る重要な法的争いであり、2025年の和解によって新たな局面を迎えました。この和解は、暗号資産業界に対して規制の明確性をもたらし、リップルの事業戦略にも大きな影響を与えています。今後もXRPの実用性向上と規制環境の動向に注目が集まっています。

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