ビットコイン取引所と販売所とは
暗号資産(仮想通貨)の取引を始める際に、多くの初心者が最初に直面する疑問が「取引所と販売所の違いは何か」という問題です。ビットコインを含む暗号資産を購入・売却する場合、これら二つの異なる取引方法が存在します。それぞれの特徴を理解することは、効率的で経済的な取引を実現するための第一歩となります。
取引所と販売所は、同じ暗号資産を扱っていても、その仕組みや手数料体系、取引の流れが大きく異なります。どちらを選ぶかによって、実際の取引コストや利便性に大きな差が生まれるため、自分の取引スタイルに合わせた選択が重要です。
取引所の特徴と仕組み
取引所は、ユーザー同士がビットコインを売買する場所です。この形式では、買いたい人と売りたい人がマッチングされることで取引が成立します。株式市場と同じような仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
取引所のメリット
取引所の最大のメリットは、手数料が安いという点です。多くの国内取引所では、Maker(流動性を提供する側)の場合、手数料がマイナスになることもあります。例えば、bitbankではMaker手数料が−0.02%に設定されており、取引するたびに手数料を受け取ることができます。Taker(流動性を取る側)の場合でも0.12%程度と非常に低い水準です。
また、取引所では「板」と呼ばれる注文一覧が表示されるため、現在の市場価格を正確に把握できます。自分が希望する価格で注文を出すことができるため、より有利な価格での取引が可能になる場合があります。
さらに、取引所は流動性が高いという特徴があります。多くのユーザーが参加しているため、大きな金額の取引でも比較的スムーズに成立しやすいのです。
取引所のデメリット
一方、取引所には注文が成立しない可能性があるというデメリットがあります。自分が指定した価格に達しなければ、いつまでも注文が約定されないままになることもあります。また、取引所の操作方法は販売所よりも複雑であり、初心者にとっては使いこなすのに時間がかかる可能性があります。
販売所の特徴と仕組み
販売所は、取引所の運営会社がビットコインの売り手となり、ユーザーが直接その企業から購入する形式です。つまり、ユーザーと企業の間での直接取引となります。
販売所のメリット
販売所の最大のメリットは、シンプルで使いやすいという点です。「買う」または「売る」ボタンをクリックするだけで、すぐに取引が成立します。複雑な注文方法を理解する必要がなく、初心者でも直感的に操作できます。
また、販売所では確実に取引が成立します。注文が約定しないという心配がなく、すぐに暗号資産を手に入れることができるため、急いでいる場合に便利です。
さらに、多くの販売所では取引手数料が無料に設定されています。bitbankやGMOコイン、Binance Japanなど、主要な取引所の販売所機能は手数料無料で利用できます。
販売所のデメリット
販売所の最大のデメリットは、スプレッド(買値と売値の差)が大きいという点です。企業が利益を得るために、市場価格よりも高い価格で売却し、市場価格よりも低い価格で買い取ります。このスプレッドが実質的な手数料となり、取引所よりも割高になることが多いのです。
また、販売所では市場価格を自分で決めることができません。企業が提示した価格で取引するしかないため、より有利な価格での取引が難しいという制限があります。
主要なビットコイン取引所の比較
日本国内には多くのビットコイン取引所が存在します。それぞれの特徴を理解することで、自分に最適な取引所を選ぶことができます。
bitbank(ビットバンク)
bitbankは、手数料の低さと取り扱い銘柄の豊富さで知られています。取引所の手数料はMaker−0.02%、Taker0.12%と業界内でも最高水準の安さです。販売所も手数料無料で利用でき、44種類の暗号資産を取り扱っています。
本格的なトレードを志向するアクティブトレーダーにとって、bitbankは高度な取引ツール(TradingView)と高い流動性を備えた魅力的なプラットフォームです。ユーザー評価も高く、利用者の多い取引所ランキングでは44票を獲得しています。
GMOコイン
GMOコインは、手数料の安さで定評があります。取引所と販売所の両方で低い手数料を実現しており、初心者から上級者まで幅広いユーザーに対応しています。21銘柄のビットコインを含む暗号資産を取り扱っており、シンプルで使いやすいインターフェースが特徴です。
ユーザー投票では40票を獲得し、多くのユーザーから支持されています。手数料の安さと使いやすさのバランスが取れた取引所として評価されています。
Coincheck(コインチェック)
Coincheckは、スマートフォンアプリのユーザー数が業界トップクラスです。34銘柄のビットコインを含む暗号資産を取り扱っており、初心者向けの取引所として知られています。アプリの操作性が優れており、外出先からでも簡単に取引できます。
販売所形式での取引が中心となっており、シンプルで分かりやすい取引体験を提供しています。初めて暗号資産を購入する人にとって、使いやすさの面で優れた選択肢となります。
SBI VCトレード
SBI VCトレードは、大手金融グループのSBIグループが運営する取引所です。36銘柄のビットコインを含む暗号資産を取り扱っており、手数料無料で利用できる販売所と、低い手数料の取引所の両方を提供しています。
信頼性と安定性が高く、ユーザー投票では17票を獲得しています。金融機関のバックアップがあるため、セキュリティ面でも安心できる取引所として評価されています。
bitFlyer(ビットフライヤー)
bitFlyerは、ビットコイン(BTC)の取引量が多いことで知られています。38銘柄のビットコインを含む暗号資産を取り扱っており、取引所と販売所の両方で取引できます。
ユーザー投票では10票を獲得し、安定した取引環境を求めるユーザーから支持されています。取引量が多いため、流動性が高く、大きな金額の取引でもスムーズに成立しやすいという特徴があります。
BITPOINT(ビットポイント)
BITPOINTは、ステーキング報酬の年率が国内No.1という特徴を持つ取引所です。30銘柄のビットコインを含む暗号資産を取り扱っており、取引所と販売所の両方で取引できます。
ユーザー投票では23票を獲得し、多くのユーザーから支持されています。暗号資産を保有しながら報酬を得たいというユーザーにとって、魅力的な選択肢となります。
取引所と販売所の選び方
取引所と販売所のどちらを選ぶかは、自分の取引スタイルと目的によって異なります。
取引所を選ぶべき場合
本格的にビットコイン取引を行いたい場合、または大きな金額を取引する場合は、取引所の利用がおすすめです。手数料が安いため、長期的には大きなコスト削減につながります。また、自分が希望する価格で取引できるため、より有利な条件での売買が可能になります。
さらに、取引の頻度が高い場合も、取引所の低い手数料が大きなメリットになります。毎日のように取引する場合、手数料の差が積み重なり、大きな金額になることもあります。
販売所を選ぶべき場合
初めてビットコインを購入する場合や、取引の複雑さを避けたい場合は、販売所がおすすめです。シンプルな操作で確実に取引が成立するため、初心者にとって使いやすいです。
また、急いでビットコインを購入したい場合も、販売所が便利です。注文が即座に成立するため、市場の急変動に対応しやすくなります。
さらに、少額の取引を行う場合は、販売所と取引所の手数料差がそこまで大きくないため、使いやすさを優先して販売所を選ぶのも良い選択肢です。
手数料以外の比較ポイント
取引所を選ぶ際には、手数料だけでなく、他の要素も考慮することが重要です。
取り扱い銘柄数
異なる暗号資産に投資したい場合は、取り扱い銘柄数が多い取引所を選ぶ必要があります。BitTradeは45銘柄、bitbankは44種類、Binance Japanは国内でダントツに多い取り扱い銘柄数を誇っています。
アプリの使いやすさ
スマートフォンで取引することが多い場合は、アプリの操作性が重要です。Coincheckはスマホアプリのユーザー数が業界トップクラスであり、CoinTradeはスマホアプリがシンプルで操作しやすいと評価されています。
セキュリティ
暗号資産を安全に保管することは非常に重要です。多くの取引所がコールドウォレット、2段階認証、マルチシグなどのセキュリティ対策を実施しています。
サポート体制
問題が発生した場合に迅速に対応してくれるサポート体制があるかどうかも、取引所選びの重要なポイントです。大手の取引所ほど、充実したサポート体制を備えていることが多いです。
ビットコイン取引を始める際の注意点
ビットコイン取引を始める前に、いくつかの重要な注意点を理解しておくことが大切です。
市場の変動性を理解する
ビットコインを含む暗号資産は、価格変動が大きいという特徴があります。短期間で大きく価格が変動することもあるため、自分が失っても問題ない範囲の金額で取引を始めることが重要です。
セキュリティ対策を万全にする
暗号資産は、一度盗まれると取り戻すことが難しいという特徴があります。強力なパスワード設定、2段階認証の有効化、フィッシング詐欺への警戒など、セキュリティ対策を万全にすることが必須です。
少額から始める
初めてビットコイン取引を行う場合は、少額から始めることをおすすめします。取引の流れを理解し、各取引所の操作に慣れてから、取引額を増やしていくのが賢明です。
複数の取引所を比較する
自分の取引スタイルに最適な取引所を見つけるために、複数の取引所を比較することが重要です。手数料、取り扱い銘柄数、アプリの使いやすさなど、様々な要素を総合的に判断して選択しましょう。
まとめ
ビットコイン取引所と販売所は、それぞれ異なる特徴と利点を持っています。取引所は手数料が安く、自分が希望する価格で取引できるため、本格的なトレーダーに適しています。一方、販売所はシンプルで使いやすく、確実に取引が成立するため、初心者に適しています。自分の取引スタイル、目的、経験レベルに応じて、最適な取引方法と取引所を選ぶことが、効率的で経済的なビットコイン取引を実現するための鍵となります。
ビットコイン取引所 vs 販売所:手数料・使い勝手・選び方をやさしく比較をまとめました
ビットコイン取引を始める際には、取引所と販売所の違いを正確に理解することが非常に重要です。手数料体系、操作の複雑さ、取引の確実性など、多くの要素が異なるため、自分のニーズに合わせた選択が必要です。bitbank、GMOコイン、Coincheck、SBI VCトレード、bitFlyer、BITPOINTなど、多くの優良な取引所が存在します。これらの取引所の特徴を比較し、自分の取引スタイルに最も適した取引所を選ぶことで、より良いビットコイン取引体験を実現できるでしょう。初心者から上級者まで、すべてのユーザーが自分に合った取引方法を見つけることができる環境が整っています。



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