ビットコイン会社完全ガイド：日本の注目企業と世界の保有ランキング

ビットコイン関連企業の現状

ブロックチェーン技術の普及に伴い、ビットコインをはじめとする暗号資産市場は急速に拡大しています。世界の暗号資産市場規模は2024年12月中旬に約3.91兆ドル（約587兆円）と過去最高値を記録し、2025年から2033年にかけて年平均成長率26.75%もの高い成長が見込まれています。このような市場環境の中で、ビットコインに関連する企業の活動も活発化しており、多くの企業がビットコイン保有戦略を展開しています。

2025年4月時点では、新たに暗号資産を購入した企業を含め、合計40社以上がビットコインを保有していると推定されています。特にデジタルサービスやゲーム開発を手掛ける企業の参入が目立っており、企業のビットコイン保有戦略は多様化しています。

日本の主要なビットコイン関連企業

bitFlyer（ビットフライヤー）

株式会社bitFlyer は、2014年1月9日に設立された日本を代表する暗号資産交換業者です。暗号資産交換業および金融商品取引業を主な事業内容としており、資本金は41億238万円（資本準備金含）を有しています。東京都港区赤坂のミッドタウン・タワーに本社を置き、関東財務局長の登録を受けた暗号資産交換業者として、ビットコインをはじめとする様々な暗号資産の取引サービスを提供しています。

bitFlyer は親会社である株式会社bitFlyer Holdings（2018年10月1日設立、資本金50億円）の傘下にあり、代表取締役の加納裕三氏のリーダーシップの下で事業を展開しています。同社は主要取引銀行として株式会社三井住友銀行と提携し、会計監査人としてEY新日本有限責任監査法人を置くなど、堅牢なガバナンス体制を整備しています。

メタプラネット（Metaplanet Inc.）

メタプラネットは、日本で最初で唯一の上場ビットコイントレジャリー企業として注目を集めています。ビットコイントレジャリー企業とは、戦略的な資金調達によってビットコイン保有量を増やし、1株当たりビットコイン保有量を最大化することで長期的な株主価値の向上を目指す企業です。

同社は2025年5月に中長期的な資本戦略およびビットコインの運用方針を明示した「555ミリオン計画」を発表しました。この計画では、ビットコイン保有量を2025年末に30,000BTCまで増やすことを目標としており、積極的なビットコイン取得戦略を展開しています。メタプラネットは「日本版マイクロストラテジー」と呼ばれるほどの存在感を高めており、2025年6月時点でのビットコイン保有量は10,000BTCに達しています。

リミックスポイント（Remix Point Inc.）

リミックスポイントは、主にエネルギー関連企業を営んでいた企業ですが、2024年11月に「金融投資事業」を新設することで、企業戦略として本格的にビットコイン保有を開始しました。2025年2月には5億円分の暗号資産を購入し、ビットコイン投資への本気度を示しています。

同社の特徴として、ビットコイン以外のアルトコインへの投資も行っていることが挙げられます。また、過去には日本の暗号資産交換業者である「BITPOINT」を運営していた経験があり、暗号資産業界に対する深い知見を有しています。

ビットコイン・セイヴァー株式会社

売れるネット広告社グループ傘下の新会社として、2025年12月1日に設立されたビットコイン・セイヴァー株式会社は、国内上場企業として初めてビットコインをはじめとする暗号資産・NFTを含むデジタル資産の「復旧・保全」を支援する「デジタルアセット・リカバリー事業」を行っています。

この新会社の設立背景には、ブロックチェーン技術の普及に伴うデジタルアセット市場の急速な拡大があります。デジタル資産の安全性や活用領域に対する社会的関心の高まりを受けて、ビットコインをはじめとする暗号資産の復旧・保全サービスに対する需要が拡大していることが、事業展開の重要な要因となっています。

世界のビットコイン保有企業ランキング

ビットコインを戦略的に保有する企業は年々増加しており、世界規模でのビットコイン保有企業ランキングを見ると、以下のような状況が明らかになります。

順位	企業名	国	BTC保有量
1	MicroStrategy Inc.	アメリカ	576,230
2	Marathon Digital Holdings	アメリカ	46,374
3	Riot Blockchain Inc.	アメリカ	18,692
4	Galaxy Digital Holdings	アメリカ	15,449
5	Tesla Inc.	アメリカ	11,509
6	Hut 8 Mining Corp	カナダ	10,237
7	Metaplanet Inc.	日本	10,000
8	Block Inc.	アメリカ	8,485
9	Coinbase Global Inc.	アメリカ	6,885
10	CleanSpark Inc.	アメリカ	6,154

このランキングから明らかなように、MicroStrategy Inc.が圧倒的なビットコイン保有量を誇っており、世界的なビットコイン保有企業の中心的な存在となっています。一方、日本企業ではメタプラネットが世界ランキング7位に位置しており、日本企業の中でも有数のビットコイン保有企業として認識されています。

企業のビットコイン保有戦略の動向

企業購入がETFを上回る傾向

注目すべき動向として、企業のビットコイン購入がETF（上場投資信託）を上回る動きが3四半期連続で続いています。データプロバイダーのBitcoin Treasuriesによると、公開企業は2025年第2四半期に約131,000BTCを購入し、保有量を18%増やしました。一方、ETFは約111,000BTCの購入で、増加率は8%でした。

この傾向は、MicroStrategyが確立したビットコイン投資戦略を模倣する企業が増えていることを示しています。企業がビットコインを長期的な資産として位置付け、戦略的に保有量を増やしていく動きが加速しているのです。

日本企業の新規参入

2025年に新たにビットコイン関連事業に参入した日本企業も複数存在します。湘南美容クリニックを運営するSBCメディカルグループホールディングスは、Coinbase経由で10億円分のビットコイン購入を進めており、医療関連企業もビットコイン投資に参入しています。

また、ゲーム開発企業のgumiも2025年に10億円分のビットコイン購入を決定するなど、デジタルサービスやゲーム開発企業の参入が引き続き目立っています。これらの企業は、ビットコインを企業の資産戦略の一部として組み込み、長期的な価値創造を目指しています。

ビットコイン関連企業の事業形態

暗号資産交換業

bitFlyer のような暗号資産交換業者は、ユーザーがビットコインをはじめとする暗号資産を売買するためのプラットフォームを提供しています。これらの企業は、金融商品取引業の登録を受け、厳格な規制の下で事業を展開しており、ユーザーの資産保護と市場の透明性確保に努めています。

ビットコイントレジャリー企業

メタプラネットのようなビットコイントレジャリー企業は、自社の資金調達によってビットコインを保有し、その保有量を増やすことで株主価値の向上を目指しています。これらの企業は、ビットコインを単なる投資対象ではなく、企業の中核的な資産戦略として位置付けています。

デジタルアセット・リカバリー事業

ビットコイン・セイヴァー株式会社のような新しい事業形態として、デジタルアセット・リカバリー事業が登場しています。この事業は、ビットコインやNFTなどのデジタル資産の復旧・保全を支援するもので、デジタル資産の安全性に対する社会的関心の高まりに応える新しいビジネスモデルです。

政策環境の変化とビットコイン企業への影響

2025年11月時点で、米国のトランプ政権は暗号資産に関して、バイデン政権における規制強化の方針から融和的な政策姿勢に転換しています。トランプ政権では、暗号資産等に関する作業部会の設置、ビットコインをはじめとする暗号資産の戦略備蓄の検討、暗号資産に係る規制・監督態勢の明確化が進められています。

このような政策環境の変化は、ビットコイン企業にとって追い風となっており、ビットコイン価格は最高値を更新するなど、暗号資産市場は活況を呈しています。政策的な支援環境の整備により、企業のビットコイン保有戦略はさらに加速する可能性があります。

ビットコイン企業の今後の展望

市場規模の拡大

暗号資産市場の規模は今後も拡大が見込まれており、これに伴ってビットコイン関連企業の事業機会も増加するでしょう。デジタルアセット市場の成長に伴い、新しいビジネスモデルや事業形態が次々と登場することが予想されます。

企業のビットコイン保有戦略の多様化

MicroStrategyが確立したビットコイン投資戦略を模倣する企業が増える一方で、各企業が自社の事業特性に応じた独自のビットコイン保有戦略を展開することが予想されます。金融企業、テクノロジー企業、医療企業など、様々な業種の企業がビットコイン投資に参入することで、市場はさらに多様化するでしょう。

規制環境の整備

各国政府がビットコインをはじめとする暗号資産に対する規制・監督態勢を明確化することで、ビットコイン企業の事業環境はより安定化するでしょう。規制の明確化により、機関投資家や大企業のビットコイン投資がさらに促進される可能性があります。

ビットコイン企業への投資家の関心

ビットコイン関連企業への投資家の関心は高まっており、特に上場企業の株式に対する注目が集まっています。メタプラネットのような日本の上場ビットコイン企業は、投資家にとって暗号資産市場への間接的な投資手段として機能しており、株価の変動も活発です。

投資家がビットコイン企業に注目する理由としては、暗号資産市場の成長性、企業のビットコイン保有による資産価値の増加、そして新しい事業機会への期待が挙げられます。

ビットコイン企業が提供するサービスの多様性

ビットコイン関連企業が提供するサービスは、単なる取引プラットフォームにとどまりません。資産管理、復旧・保全、ファンド運用など、様々なサービスが展開されており、ユーザーのニーズに応じた多様なソリューションが提供されています。

例えば、Monex Group傘下のサービスでは、ビットコイン保有者向けに先駆的な構造を提供し、BTC での出資を可能にするなど、新しい投資形態が登場しています。

日本のビットコイン企業の国際競争力

日本のビットコイン企業、特にメタプラネットは、世界的なビットコイン保有企業ランキングで7位に位置しており、国際的な競争力を有しています。日本企業がビットコイン投資戦略を積極的に展開することで、日本の暗号資産産業全体の国際的地位が向上する可能性があります。

bitFlyer のような暗号資産交換業者も、国内市場での地位を確立しており、今後の国際展開が期待されています。

ビットコイン企業のガバナンスと信頼性

ビットコイン企業の信頼性を確保するためには、適切なガバナンス体制が不可欠です。bitFlyer のように、大手銀行との提携や監査法人の設置など、堅牢なガバナンス体制を整備している企業は、投資家や利用者からの信頼を獲得しています。

規制当局の登録を受け、定期的な報告義務を果たすことで、ビットコイン企業は透明性と信頼性を維持しており、これが市場の安定性につながっています。

まとめ

ビットコイン関連企業は、暗号資産市場の急速な拡大に伴い、多様な事業形態で成長を遂げています。bitFlyer のような暗号資産交換業者から、メタプラネットのようなビットコイントレジャリー企業、そしてビットコイン・セイヴァー株式会社のようなデジタルアセット・リカバリー企業まで、様々な企業がビットコイン関連事業に参入しています。日本企業も世界的な競争の中で存在感を高めており、特にメタプラネットは世界ランキング7位のビットコイン保有企業として注目を集めています。政策環境の改善と市場規模の拡大により、ビットコイン企業の今後の成長が期待されています。

ビットコイン会社完全ガイド：日本の注目企業と世界の保有ランキングをまとめました

ビットコイン企業の世界は、単なる投資対象の提供にとどまらず、多様なサービスと事業形態を通じて、暗号資産市場全体の発展に貢献しています。日本のビットコイン企業も、国内市場での基盤を確立しながら、国際的な競争力を高めています。今後、暗号資産市場がさらに成熟し、規制環境が整備されるにつれて、ビットコイン企業の役割はますます重要になるでしょう。投資家や利用者にとって、信頼性の高いビットコイン企業を選択することが、暗号資産市場への安全で効果的なアクセスを実現する鍵となります。