SBIの仮想通貨最前線：USDC導入・手数料無料の個人サービスと法人向け「SBI VC for Prime」の全貌

近年、日本を代表する金融グループの一つであるSBIホールディングスは、仮想通貨（暗号資産）分野において積極的な取り組みを進めています。SBIグループは、従来の金融サービスに加えて、仮想通貨の取引・保管・運用、さらには法人向けサービスやステーブルコインの取扱いまで、幅広い領域で革新的なサービスを展開しています。本記事では、SBIグループが提供する仮想通貨関連サービスの概要や特徴、最新動向、そして今後の展望について詳しく解説します。

SBIグループと仮想通貨事業の概要

SBIホールディングスは、証券、銀行、保険、資産運用など多岐にわたる金融サービスを展開する大手企業です。その中で、仮想通貨事業は近年特に注目を集めており、グループ傘下のSBI VCトレード株式会社を中心に、個人・法人問わず幅広い層にサービスを提供しています。

SBI VCトレードは、暗号資産交換業者として金融庁の認可を受け、高いセキュリティ体制のもとでビットコイン（BTC）やリップル（XRP）などの主要仮想通貨の取引サービスを提供しています。また、2025年3月には米ドル連動型ステーブルコイン「ユーエスディーシー（USDC）」の一般向け取引サービスを開始し、国内初の取扱いとして注目を集めました。USDCは価格変動が比較的少なく、決済や資産保全の手段として注目されています。

さらに、SBIグループは法人向けサービス「SBI VC for Prime」を展開しており、企業がビットコインを取引・保管・運用できる環境を整えています。このサービスは、金融ライセンスと運用ノウハウを活かし、企業の暗号資産トレジャリー運用をサポートするものです。2025年10月には、株式会社イオレやDAT企業コンバノなど、複数の企業がこのサービスを利用し、ビットコインの取得や保管、運用を開始しています。

個人向けサービスの特徴と最新キャンペーン

SBI VCトレードの個人向けサービスは、口座開設手数料、口座維持手数料、入金手数料、入出庫手数料がすべて無料という点が大きな特徴です。これにより、初心者から上級者まで幅広い層が気軽に仮想通貨取引を始めることができます。また、取引可能な仮想通貨の種類も豊富で、ビットコインやXRPのほか、ステーブルコインUSDCなども扱っています。

2025年11月現在、SBI VCトレードでは「SBIハイパー預金サービス記念キャンペーン」を実施中です。このキャンペーンでは、SBIハイパー預金の利用者向けに暗号資産XRPが配布されるなど、お得な特典が用意されています。また、2025年10月末頃までに「暗号資産の積立祭り！キャッシュバックキャンペーン」も開催されており、積立取引を行うことでキャッシュバックが受けられる仕組みです。こうしたキャンペーンは、仮想通貨取引のハードルを下げ、より多くの人が参加しやすい環境を整えています。

さらに、SBI VCトレードは高いセキュリティ体制を整えており、顧客資産の安全を最優先にしています。2025年2月から3月にかけては、DMM Bitcoinからの顧客資産移管が進み、SBI VCトレードの預かり資産が5000億円を突破しました。これは、市場全体の価格上昇とともに、SBIグループの信頼性とサービスの質が評価されている証ともいえます。

法人向けサービス「SBI VC for Prime」の詳細

SBI VCトレードが提供する法人向けサービス「SBI VC for Prime」は、企業がビットコインを取引・保管・運用するための包括的なプラットフォームです。このサービスは、金融ライセンスと運用ノウハウを活かし、企業の暗号資産トレジャリー運用をサポートします。特に、大口取引に対する特別な優遇スプレッドや価格指定取引、税関連の手配などが含まれており、機関投資家や大企業にとって非常に魅力的なサービスとなっています。

2025年10月には、株式会社イオレが「SBI VC for Prime」を活用し、ビットコインの取引・保管・運用を開始しました。これは、同社が掲げる「Neo Crypto Bank構想」の実現に向けた具体的な第一歩です。金融×暗号資産の融合が焦点となっており、SBI VCトレードの金融ライセンスと運用ノウハウを取り込むことで、暗号資産トレジャリー運用の安定性が一段と高まると期待されています。

また、DAT企業コンバノも2025年10月に「SBI VC for Prime」サービスパッケージの提供を開始しました。コンバノは2027年3月までに2万1000BTCを保有することを目指しており、SBI VCトレードは企業の暗号資産保有をサポートしています。このサポートには取引オプションや税関連の手配が含まれ、1年以上の譲渡制限がある暗号資産に対する法人税免除サービスも含まれています。さらに、ステーキング手数料を25%から10%に削減するなど、企業にとって非常に有利な条件が整っています。

「SBI VC for Prime」は、企業が暗号資産を取得・保管・運用・決済するための循環的な仕組みを構築する上で重要な役割を果たしています。今後、どの程度のスピードでこの仕組みが構築されていくかが注目されています。

ステーブルコイン「USDC」の取扱いとその意義

2025年3月26日より、SBI VCトレードは米ドル連動型ステーブルコイン「ユーエスディーシー（USDC）」の一般向け取引サービスを開始しました。USDCは価格変動が比較的少なく、決済や資産保全の手段として注目されています。SBI VCトレードは国内初のUSDC取扱いとして、個人・法人問わず幅広い層にサービスを提供しています。

USDCの取扱い開始は、仮想通貨市場における新たな選択肢を提供するものであり、特に価格変動リスクを避けたい投資家や企業にとって魅力的なサービスとなっています。また、USDCは国際的にも広く使われており、海外との取引や決済にも活用できます。SBI VCトレードは、USDCの取扱いを通じて、顧客のニーズに応える多様なサービスを提供しています。

ステーブルコインの取扱いは、仮想通貨市場の成熟度を高める上で重要な役割を果たしています。SBI VCトレードは、USDCの取扱いを皮切りに、今後も新たなステーブルコインや金融商品の取扱いを検討しているとされています。

EXPO2025とNFT、デジタルウォレットの活用

SBIグループは、2025年に開催される大阪・関西万博（EXPO2025）においても、仮想通貨やNFT（非代替性トークン）の活用を進めています。EXPO2025デジタルウォレットNFT「ミャクーン！」は、SBIグループが提供するデジタルウォレットアプリを通じて、NFTの取得や管理が可能となっています。このNFTは、大阪・関西万博の閉幕後、EXPO2025デジタルウォレットアプリのサービス終了に伴い閲覧ができなくなりますが、SBIグループでは、お客さまが取得されたNFTの引き継ぎや管理をサポートしています。

EXPO2025におけるNFTやデジタルウォレットの活用は、仮想通貨やブロックチェーン技術の実用化の一例です。SBIグループは、こうした取り組みを通じて、仮想通貨やNFTの普及・発展に貢献しています。

今後の展望とSBIグループの戦略

SBIグループは、仮想通貨分野において今後も積極的な取り組みを進めていく方針です。個人・法人問わず幅広い層にサービスを提供し、仮想通貨市場の成熟度を高めることが目標です。また、ステーブルコインやNFT、デジタルウォレットなど、新たな金融技術の活用も進めていきます。

特に、法人向けサービス「SBI VC for Prime」は、企業の暗号資産トレジャリー運用をサポートする重要なプラットフォームとして、今後さらに拡大していくことが期待されています。また、EXPO2025やNFT、デジタルウォレットの活用を通じて、仮想通貨やブロックチェーン技術の実用化・普及にも貢献していくでしょう。

SBIグループは、金融×暗号資産の融合を進め、顧客中心主義に基づく革新的なサービス・ビジネスを創出していきます。今後も、SBIグループの仮想通貨事業の動向に注目が集まります。

まとめ

SBIホールディングスは、仮想通貨分野において個人・法人問わず幅広い層にサービスを提供し、高いセキュリティ体制のもとで革新的なサービスを展開しています。個人向けサービスでは、口座開設手数料や維持手数料が無料で、ビットコインやXRP、ステーブルコインUSDCなど多様な仮想通貨の取引が可能です。また、法人向けサービス「SBI VC for Prime」は、企業の暗号資産トレジャリー運用をサポートし、大口取引や税関連の手配、法人税免除サービスなど、企業にとって非常に有利な条件が整っています。2025年3月にはステーブルコインUSDCの一般向け取引サービスを開始し、国内初の取扱いとして注目を集めました。さらに、EXPO2025ではNFTやデジタルウォレットの活用を進め、仮想通貨やブロックチェーン技術の実用化・普及にも貢献しています。SBIグループは、今後も仮想通貨分野において積極的な取り組みを進め、顧客中心主義に基づく革新的なサービス・ビジネスを創出していきます。