イーサリアムETFはいつ承認された？2024年承認から上場、ステーキングと今後の規制動向まで一挙解説

イーサリアムETF承認の歴史

イーサリアムの現物ETF（上場投資信託）は、米国の暗号資産市場において重要なマイルストーンとなりました。ビットコイン現物ETFの承認に続き、イーサリアム現物ETFも米国証券取引委員会（SEC）から正式な承認を受けています。

イーサリアム現物ETFの承認プロセスは、当初は長期化するとの見方が大多数でしたが、2024年5月に予想外の急速な進展を見せました。それまでは申請書類に関するSECとの面談が少なかったのですが、5月に入ると証券取引所側がSECから主要な提出書類を更新するよう突然求めるようになり、2024年5月23日の最終期限に向けて一気に承認プロセスが加速したのです。

ブラックロック、フィデリティ、VanEckなどの米大手運用会社が申請していたイーサリアム現物ETFは、2024年5月24日に申請された全ての現物ETFが正式に承認されました。その後、2024年7月23日より合計6銘柄が米国の証券取引所に上場し、取引が開始されています。この承認は世界中の暗号資産市場に大きな影響を与えることになりました。

現在のイーサリアムETF市場の状況

基本的なETF商品の展開

2024年7月23日の上場開始以降、イーサリアム現物ETFは米国市場で安定した取引が行われています。複数の大手運用会社による競争的な商品展開により、投資家にとって選択肢が増えました。

イーサリアム現物ETFの承認により、SECは各イーサリアム現物ETF銘柄の最終承認（S-1登録）を行い、正式に取引開始の許可を出しました。この決定は、暗号資産市場における機関投資家の参入を促進する重要な要因となっています。

ステーキング機能付きETFの動向

イーサリアムETFの展開は、基本的な現物ETFにとどまりません。より高度な機能を持つ商品の開発も進んでいます。特に注目されているのが、ステーキング機能を備えたイーサリアムETFです。

グレイスケールは、イーサリアムとソラナの投資商品に米国で初めてステーキング機能を追加しました。このステーキング機能により、投資家はETFを保有しながら、ブロックチェーンのバリデーション活動に参加することで報酬を得ることが可能になります。

2025年7月の報道では、SECがステーキング承認判断を延期したとされていますが、今後の規制緩和により高い需要が期待されています。ステーキング付きイーサリアムETFについては、複数の企業が申請を行っており、SECの審査が進められている状況です。

規制環境の変化と審査プロセスの簡素化

新しい上場基準の導入

2025年9月、SECは暗号資産ETFの上場承認プロセスに関する重要な制度変更を導入しました。この変更により、一定の要件を満たす暗号資産現物ETFについては、従来とられていた個別の上場承認のための取引所規則改正手続きが不要となりました。

この制度改革の最大の効果は、審査期間の大幅な短縮です。従来は最大240日かかっていた審査期間が、新制度では75日に短縮されることになりました。この変更は、暗号資産ETF市場の拡大を加速させる重要な施策として位置づけられています。

複数のアルトコインETF承認への道

イーサリアムETFの成功に続き、ソラナ、XRP、ライトコイン、ドージコインなど、複数のアルトコインETFの承認が進められています。2025年10月第1週には、米SECがアルトコインETFの承認プロセス簡素化を発表し、ヴァンエックがステーキング版イーサリアムETFを申請するなど、市場の動きが活発化しています。

ブルームバーグ・インテリジェンスの予測によると、ソラナとXRPのETFは2025年内に95%以上の確率で承認される見込みとされています。また、ステーキング機能の容認可能性についても「非常に高い」との見方が示されています。

2025年の承認延期と今後の見通し

承認判断の延期状況

2025年に入ると、SECは複数の暗号資産ETFの承認判断を延期する決定を下しました。18日に公開された申請書によると、SECはTruth Socialビットコイン・イーサリアムETFの審査期間を2025年10月8日まで延長しました。同機関は、提案された規則変更を慎重に評価するため追加の時間が必要であると説明しています。

延期対象には、Truth Socialビットコイン・イーサリアムETFや複数のXRP ETF、ライトコインETF、ステーキング付きイーサリアムETFなどが含まれています。これらの新しい期限は2025年10月から11月にかけて設定されており、年末に向けた承認ラッシュが予想されています。

規制環境の最終調整段階

現在の状況は、「規制プロセスの最終調整」段階にあると解釈されています。SECの「延期連発」は悲観的に捉える必要はなく、むしろ一斉承認に向けた前段階だと考えられています。

業界関係者の間では、2025年後半に訪れるアルトコインETF解禁ラッシュの予兆として、現在の延期判断を位置づける見方が広がっています。規制当局が提案された規則変更を慎重に評価する時間を確保することで、より堅牢な承認基準が整備されると期待されているのです。

日本市場でのイーサリアムETF

米国市場でのイーサリアムETF展開が進む一方で、日本市場の状況は異なります。2025年4月現在、日本の証券取引所では仮想通貨ETFは取引されていません。そのため、日本の投資家が仮想通貨ETFに投資することは、現在のところできない状況が続いています。

ただし、米国市場でのイーサリアムETFの成功と規制環境の整備が進むことで、将来的に日本市場でも同様の商品が上場される可能性があります。米国での動向は、日本の金融規制当局にとって重要な参考事例となるでしょう。

イーサリアムETFが市場にもたらす意義

機関投資家の参入促進

イーサリアムETFの承認と上場は、機関投資家の暗号資産市場への参入を大きく促進しました。従来、暗号資産への投資は個人投資家が中心でしたが、ETFという規制された投資商品の登場により、年金基金や投資信託など、大規模な機関投資家も参入しやすくなったのです。

ETFを通じた投資は、従来の暗号資産取引所での直接購入と比べて、より高い規制基準と透明性を備えています。これにより、機関投資家が安心して投資できる環境が整備されました。

市場流動性の向上

複数の大手運用会社によるイーサリアムETFの上場により、市場の流動性が大幅に向上しました。競争的な商品展開により、スプレッド（買値と売値の差）が縮小し、投資家にとってより有利な取引環境が実現しています。

市場流動性の向上は、価格形成の効率化にもつながります。より多くの取引参加者と取引量により、市場価格がより正確にイーサリアムの実質的な価値を反映するようになるのです。

暗号資産市場全体への波及効果

イーサリアムETFの成功は、暗号資産市場全体に大きな波及効果をもたらしています。ビットコインに続くイーサリアムのETF承認により、他のアルトコインについても同様の商品化への期待が高まりました。

現在、ソラナ、XRP、ライトコイン、ドージコインなど、複数のアルトコインについてETF申請が進められています。これらの承認が進むことで、暗号資産市場全体の機関化と成熟化が加速するでしょう。

今後の展開と期待される動き

2025年後半から2026年への見通し

2025年10月から11月にかけての承認期限設定により、年末に向けたアルトコインETF承認ラッシュが予想されています。複数の企業が申請しているステーキング付きイーサリアムETFについても、承認の可能性が高いと見られています。

ブルームバーグ・インテリジェンスによると、SEC には130件以上の暗号資産ETFが承認待ちの状態にあります。新しい審査プロセスの簡素化により、これらの申請の処理が加速することが期待されています。

規制環境の継続的な整備

暗号資産ETF市場の拡大に伴い、規制環境の継続的な整備が進められるでしょう。SECは、新しい商品形態（ステーキング機能付きETFなど）についても、従来より柔軟な審査を進めている模様です。

これらの規制環境の改善により、より多くの暗号資産がETF化される可能性が高まります。投資家にとっては、より多くの選択肢と、より安全で透明性の高い投資環境が実現することになるでしょう。

まとめ

イーサリアムETFは、2024年5月24日にSECから正式に承認され、同年7月23日に米国の証券取引所に上場しました。この承認は、暗号資産市場における重要なマイルストーンとなり、機関投資家の参入を促進し、市場全体の成熟化をもたらしています。2025年には、規制環境の簡素化により審査期間が大幅に短縮され、ステーキング機能付きETFを含む複数のアルトコインETFの承認が期待されています。年末に向けたアルトコインETF解禁ラッシュの可能性が高く、暗号資産市場は新たなフェーズへの移行が進行中です。

イーサリアムETFはいつ承認された？2024年承認から上場、ステーキングと今後の規制動向まで一挙解説をまとめました

イーサリアムETFの承認は、2024年5月24日という比較的早い時期に実現しました。当初は長期化するとの見方が大多数でしたが、5月に入ると急速に進展し、市場の予想に反して早期の承認となっています。現在、イーサリアムETFは米国市場で安定した取引が行われており、複数の大手運用会社による競争的な商品展開が続いています。さらに、ステーキング機能を備えた高度なETF商品の開発も進んでおり、2025年後半から2026年にかけて、より多くの革新的な暗号資産ETFが市場に登場することが期待されています。規制環境の継続的な整備と審査プロセスの簡素化により、暗号資産市場全体の機関化と成熟化が加速する見込みです。