DMM Bitcoinとは
DMM Bitcoinは、日本国内で仮想通貨取引サービスを提供していた取引所です。2016年11月に株式会社東京ビットコイン取引所として設立され、2018年1月にDMM Bitcoinという名称でサービスを開始しました。大手企業グループであるDMMが運営していたことから、多くの投資家に利用されてきました。
同サービスは2025年3月8日をもってサービスを終了することが発表されています。ただし、運営されていた期間中は、初心者から経験者まで幅広いユーザーに対応した機能や特徴を備えていました。
取扱銘柄と取引方法
DMM Bitcoinの大きな特徴の一つは、取り扱う仮想通貨の種類が豊富であったことです。現物取引では20種類以上の銘柄を取り扱い、レバレッジ取引ではさらに多くの銘柄に対応していました。ビットコイン、イーサリアム、リップルなどの主要な仮想通貨はもちろん、日本発祥のモナコインなど、他の取引所では取り扱っていない銘柄も利用できました。
取引方法としては、現物取引とレバレッジ取引の両方に対応していました。現物取引は実際に仮想通貨を購入・保有する方法で、レバレッジ取引は手元資金の最大2倍までの取引が可能な方法です。レバレッジ取引では、保有している暗号資産を証拠金として活用することもできました。
使いやすい取引ツール
DMM Bitcoinは、投資初心者でも使いやすいように設計された取引ツールを提供していました。Webブラウザ版とスマートフォンアプリ版の両方が用意されており、どちらからでも取引が可能でした。
特に注目すべき機能として、「STモード」と「EXモード」という2つの取引モードが選択できました。STモードは無駄を省いたシンプルな画面設計で、仮想通貨取引初心者に最適な機能を備えていました。一方、EXモードはより高度な機能を求める経験者向けの設定となっていました。
スマートフォンアプリには、チャートを見ながらワンタッチで発注できる機能や、各種アラートのポップアップ機能が搭載されていました。これにより、移動中でも素早く取引判断ができる環境が整備されていました。
オリジナルの注文方法「BitMatch注文」
DMM Bitcoinが提供していた独自の機能として、「BitMatch注文」という注文方法がありました。この注文方法は、販売所と取引所のハイブリッド型で、2020年10月から提供が開始されました。
BitMatch注文の仕組みは、DMM Bitcoinが提示するミッド(仲値)価格を参考にして、発注から30秒以内の有効期限内におけるミッド価格で取引が成立するというものです。この方法により、販売所の利便性と取引所の低コスト性を兼ね備えた取引が実現していました。
手数料体系
DMM Bitcoinの手数料体系は、ユーザーにとって有利な設定となっていました。現物取引の手数料は無料で、気軽に取引を始めることができました。ただし、BitMatch注文を利用する場合には、別途手数料が発生する仕組みになっていました。
最低取引単位も非常に低く設定されており、ビットコインの場合は0.0001BTC、イーサリアムは0.001BTC、リップルは1XRPという小額から取引を開始できました。これにより、投資初心者でも少ない資金から仮想通貨投資を始めることが可能でした。
レバレッジ取引の充実
DMM Bitcoinは、レバレッジ取引に特に力を入れていた取引所として知られていました。サービス開始当初から14通貨ペア以上のレバレッジ取引に対応しており、この点は業界内でも充実していました。
レバレッジ取引では、手元資金の最大2倍までの取引が可能でした。保有している暗号資産を証拠金として活用できるため、長期保有している資産を有効活用したい投資家にとって有用な機能でした。また、変動制のファンディングレートが採用されており、長期ポジションの保有に適した設計となっていました。
カスタマーサポート
DMM Bitcoinは、ユーザーサポートにも力を入れていました。問い合わせフォームでの対応に加えて、LINEでのサポートも提供されていました。これにより、ユーザーは自分の都合に合わせて、複数の方法でサポートを受けることができました。
公式のX(旧Twitter)アカウント(@DMM_Bitcoin)も運営されており、最新情報やお知らせが定期的に発信されていました。
初心者向けの特徴
DMM Bitcoinは、仮想通貨投資初心者にとって利用しやすい取引所として設計されていました。操作性に優れた取引ツール、豊富な無料手数料、低い最低取引単位など、初心者が気軽に始められる環境が整備されていました。
また、多くの手数料が無料に設定されていたことも、初心者にとって大きなメリットでした。余計なコストを気にせず、取引に集中できる環境が提供されていたのです。
取引ツールの高機能性
DMM Bitcoinが提供していた取引ツールは、単なる初心者向けの簡易的なものではなく、経験者にも対応できる高機能なものでした。豊富な注文機能と高機能チャートが搭載されており、カスタマイズ性にも優れていました。
Webブラウザ版では、細かい設定が可能な高度な分析機能が利用でき、スマートフォンアプリ版では直感的な操作性が重視されていました。このように、プラットフォームごとに異なるニーズに対応した設計がなされていました。
セキュリティ対策
大手企業グループであるDMMが運営していたDMM Bitcoinは、セキュリティ対策にも力を入れていました。ユーザーの資産を守るための各種セキュリティ機能が実装されていました。
業界標準のセキュリティ対策が講じられており、ユーザーが安心して取引できる環境が整備されていました。
サービス終了と資産移管
DMM Bitcoinは2025年3月8日をもってサービスを終了することが発表されました。ユーザーの口座および預かり資産(日本円、暗号資産)については、適切に対応されることになっています。
サービス終了に伴い、ユーザーの資産移管についての特設サイトが設置されました。移管スケジュールや注意事項、よくあるご質問などの情報が提供されており、ユーザーが円滑に移管手続きを進められるようサポートされていました。
他の取引所との比較
DMM Bitcoinが提供していた機能や特徴は、他の仮想通貨取引所と比較しても競争力のあるものでした。特にレバレッジ取引の充実度、取扱銘柄の豊富さ、初心者向けの使いやすさなどの点で、高い評価を受けていました。
BitMatch注文というオリジナルの注文方法も、DMM Bitcoinならではの特徴であり、他の取引所では利用できない機能でした。
まとめ
DMM Bitcoinは、2018年1月のサービス開始から2025年3月8日のサービス終了まで、日本国内の仮想通貨取引所として多くのユーザーに利用されてきました。初心者から経験者まで対応できる充実した機能、豊富な取扱銘柄、使いやすい取引ツール、低い手数料など、多くの魅力を備えていました。特にレバレッジ取引の充実度と、BitMatch注文というオリジナルの注文方法は、DMM Bitcoinの大きな特徴でした。サービスは終了しましたが、運営されていた期間中に提供されていた機能や特徴は、仮想通貨取引所のあり方を示す重要な事例として、今後の業界発展に貢献するものと考えられます。
DMM Bitcoinまとめ:BitMatch・レバレッジ・手数料から2025年3月のサービス終了と資産移管までをまとめました
DMM Bitcoinは、日本国内で仮想通貨取引サービスを提供していた取引所として、その歴史と特徴を通じて、仮想通貨投資の初心者から経験者まで、幅広いユーザーのニーズに対応する取引所のあり方を示してきました。充実したレバレッジ取引機能、豊富な取扱銘柄、使いやすい取引ツール、そしてオリジナルのBitMatch注文など、多くの革新的な機能を提供していました。これらの特徴は、仮想通貨取引所が提供すべき価値を示す重要な事例として、今後の業界発展に向けた指針となるものです。



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