国内主要取引所の仮想通貨手数料を徹底比較｜Maker/Taker・入出金・送金・スプレッドまとめ

仮想通貨取引における手数料の種類と特徴

仮想通貨取引を始める際に、最も重要な要素の一つが手数料です。取引所を選ぶ際には、単純に取引手数料だけでなく、複数の手数料体系を理解することが大切です。仮想通貨取引に関連する手数料には、大きく分けて以下のような種類があります。

まず、取引手数料は取引所での売買時に発生する費用です。この取引手数料には、指値注文で流動性を提供する「Maker手数料」と、成行注文で流動性を取る「Taker手数料」の2種類があります。Maker手数料がマイナスの場合、取引を行うことで報酬を得られるという仕組みになっています。

次に、日本円の入出金手数料があります。銀行振込による入金時の振込手数料は自己負担となる場合が多いですが、取引所によっては入金手数料を無料としているところもあります。出金手数料は取引所ごとに異なり、無料から数百円程度の範囲で設定されています。

さらに、仮想通貨の送金手数料も重要です。これはビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を他のウォレットや取引所に送付する際に発生する費用で、銘柄ごとに固定額で設定されていることが一般的です。

販売所での取引を利用する場合、表面上は取引手数料が無料でも、買値と売値の価格差であるスプレッドが実質的な手数料として機能します。このスプレッドは取引所によって異なり、取引量や市場の状況によっても変動します。

主要な国内仮想通貨取引所の手数料比較

GMOコイン

GMOコインは、手数料体系が非常に充実した取引所として知られています。取引所形式での取引手数料は、主要銘柄であるビットコイン、イーサリアム、XRP、DAIについてMaker手数料が-0.01%、Taker手数料が0.05%に設定されています。その他の銘柄ではMaker手数料が-0.03%、Taker手数料が0.09%となります。

特に注目すべき点は、Maker手数料がマイナスであることです。これは指値注文を行うことで、取引ごとに報酬を受け取ることができるということを意味しており、長期的に取引を行うユーザーにとって大きなメリットとなります。

日本円の入出金手数料も優遇されており、2,000万円以下の出金は無料、2,000万円を超える大口出金の場合のみ400円の手数料が発生します。仮想通貨の送金手数料も無料に設定されており、総合的に見ると手数料負担が少ない取引所です。

Coincheck（コインチェック）

Coincheckは、初心者にも使いやすいインターフェースで知られており、取引所形式での取引手数料が無料に設定されています。ビットコインの場合、取引手数料は0%となっており、手数料を気にせず取引を開始できます。

ただし、販売所形式での取引を利用する場合、スプレッドが5～8%程度と比較的広めに設定されているため、販売所での取引は割高になる傾向があります。取引所形式を活用することで、より低コストでの取引が可能です。

日本円の出金手数料は407円に設定されており、他の主要取引所と比べると中程度の水準です。仮想通貨の送金手数料は銘柄によって異なり、ビットコインの場合は0.0005 BTCですが、Coincheckユーザー間での送金は無料という特典があります。

bitbank（ビットバンク）

bitbankは、取引所形式での手数料体系が特に優れた取引所です。Maker手数料が-0.02%に設定されており、指値注文を活用することで確実に報酬を得ることができます。Taker手数料は0.12%で、成行注文を利用する場合の費用となります。

信用取引にも対応しており、最大2倍のレバレッジをかけた取引が可能です。信用取引の手数料は現物取引と同様に設定されており、建玉金利として日次で0.04%が発生します。短期的な取引を行うユーザーにとっても、コストを抑えた取引環境が提供されています。

日本円の出金手数料は550円または770円で、仮想通貨の送金手数料は銘柄ごとに固定されています。ビットコインの場合は0.0006 BTCの送金手数料が設定されています。

bitFlyer（ビットフライヤー）

bitFlyerは、国内最大規模の取引所として知られており、取引量に応じた段階制の手数料体系を採用しています。Maker手数料とTaker手数料の両方が0.01%～0.15%の範囲で変動し、月間の取引量が多いほど手数料が低くなる仕組みになっています。

販売所形式での取引手数料は無料ですが、スプレッドが2～3%程度に設定されているため、販売所での取引は割高になる傾向があります。取引所形式を活用することで、より効率的な取引が可能です。

日本円の出金手数料は220円～770円の範囲で、出金額によって異なります。3万円未満の出金では220円～550円、3万円以上の出金では440円～770円の手数料が発生します。

SBI VCトレード

SBI VCトレードは、SBIグループが運営する取引所で、手数料体系が非常にシンプルで分かりやすいことが特徴です。取引所形式での取引手数料は、主要銘柄であるビットコイン、イーサリアム、XRP、DAIについてMaker手数料が-0.01%、Taker手数料が0.05%に設定されています。

日本円の入出金手数料が完全に無料に設定されており、仮想通貨の送金手数料も無料という優遇措置があります。これにより、入出金時の費用負担がなく、効率的に資金を移動させることができます。

レバレッジ取引にも対応しており、最大2倍のレバレッジをかけた取引が可能です。貸暗号資産サービスや積立暗号資産サービスも提供されており、多様な取引スタイルに対応しています。

BITPOINT（ビットポイント）

BITPOINTは、取引所形式での取引手数料が完全に無料に設定されている数少ない取引所の一つです。Maker手数料とTaker手数料の両方が0%となっており、手数料を気にせず取引を行うことができます。

日本円の出金手数料は月1回まで無料で、月2回目以降は330円の手数料が発生します。仮想通貨の送金手数料も無料に設定されており、総合的に見ると手数料負担が非常に少ない取引所です。

初心者から上級者まで、幅広いユーザーに対応できる取引環境が整備されており、手数料を最小限に抑えたい方に適した選択肢となります。

DMM Bitcoin

DMM Bitcoinは、販売所形式での取引手数料が無料に設定されており、初心者にも使いやすい取引所です。ただし、販売所形式を利用する場合、スプレッドが実質的な手数料として機能するため、取引コストを最小限に抑えたい場合は注意が必要です。

日本円の出金手数料が無料に設定されており、資金の引き出しに費用がかかりません。レバレッジ取引にも対応しており、より高度な取引戦略を実行することが可能です。

手数料体系の詳細な理解

Maker手数料とTaker手数料の違い

仮想通貨取引所での取引手数料を理解する上で、Maker手数料とTaker手数料の違いを把握することは非常に重要です。Maker手数料は、指値注文を行う際に発生する手数料です。指値注文とは、「この価格で買いたい」「この価格で売りたい」と事前に価格を指定して注文を出す方法です。このような注文は、市場に流動性を提供する行為とみなされるため、多くの取引所ではMaker手数料を低く設定しており、中にはマイナス手数料（報酬）を提供している取引所もあります。

一方、Taker手数料は、成行注文を行う際に発生する手数料です。成行注文とは、「今すぐこの価格で買いたい」「今すぐこの価格で売りたい」と、現在の市場価格で即座に注文を実行する方法です。このような注文は、市場から流動性を取る行為とみなされるため、Taker手数料はMaker手数料よりも高く設定されるのが一般的です。

長期的に取引を行うユーザーにとっては、Maker手数料がマイナスに設定されている取引所を選ぶことで、取引を行うたびに報酬を得ることができます。一方、短期的な取引や即座に約定させたい場合は、Taker手数料の水準を確認して取引所を選ぶことが重要です。