ビットコインETF(上場投資信託)は、ビットコインの価格に連動する金融商品で、株式市場を通じてビットコインに間接的に投資できる手段として注目されています。2025年現在、世界各国で多様なビットコインETFが上場しており、投資家にとってアクセスしやすい環境が整いつつあります。本記事では、主要なビットコインETFの一覧と特徴、各国の承認状況、そして今後の展望について詳しく解説します。
ビットコインETFとは?
ビットコインETFは、ビットコインの価格を反映するよう設計された上場投資信託です。これにより、投資家は仮想通貨取引所を介さずに、証券取引所で株式のように売買できるメリットがあります。現物のビットコインを保有するタイプと、ビットコイン先物を対象とするタイプがあり、手数料やリスクの面で違いがあります。
世界の主要ビットコインETF一覧
| ETF名 | ティッカー | 運用会社 | 市場 | タイプ | 経費率 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| iShares Bitcoin Trust | IBTC | BlackRock | NASDAQ | 現物ビットコイン | 0.25% | 2024年に米国で承認。機関投資家の注目が高い最大手ETF |
| Fidelity Wise Origin Bitcoin | FBTC | Fidelity | CBOE | 現物ビットコイン | 0.25% | 大手資産運用会社Fidelityによる信頼性の高いETF |
| Grayscale Bitcoin Trust | GBTC | Grayscale | NYSE | 投資信託からETFへ移行中 | 1.50% | 長期間の運用実績を持つビットコイン投資信託 |
| Invesco Galaxy Bitcoin ETF | BTCO | Invesco & Galaxy | CBOE | 現物ビットコイン | 0.39% | Galaxy Digitalとの共同運用で専門性が高い |
| ARK 21Shares Bitcoin ETF | ARKB | ARK Invest & 21Shares | CBOE | 現物ビットコイン | 0.21% | 革新的な投資戦略で知られるARKと21Sharesの協業 |
| ProShares Bitcoin Strategy ETF | BITO | ProShares | NYSE | ビットコイン先物 | 0.95% | 先物取引をベースにしたETFで流動性が高い |
地域別のビットコインETF承認状況
アメリカ
米国は2024年に現物ビットコインETFを初めて承認し、BlackRockやFidelityなど大手運用会社が次々と商品を上場させました。これにより機関投資家の関心が急増し、2025年10月時点でBlackRockのiShares Bitcoin Trust(IBIT)は資産運用残高700億ドルを超えています。米国市場はETFの種類も豊富で、先物型や現物型の両方が取引されています。
香港
香港市場では2024年4月にビットコインとイーサリアムの現物ETFが取引開始されました。代表的なETFには「華夏ビットコインETF」や「ボセラ・ハッシュキー・ビットコインETF」などがあり、複数の仮想通貨を組み入れたETFも存在します。香港はアジアの金融ハブとして、仮想通貨ETFの拡大に積極的です。
オーストラリア
オーストラリアでも2024年にビットコイン現物ETFが承認され、投資家が証券取引所を通じてビットコインにアクセスできる環境が整いました。これにより、アジア太平洋地域での仮想通貨ETFの普及が加速しています。
日本
2025年12月現在、日本国内ではビットコインETFはまだ承認されておらず、証券会社を通じて購入することはできません。しかし、金融庁は規制の整備を進めており、今後の承認に期待が寄せられています。日本の投資家は現時点では海外ETFを通じて間接的にビットコインに投資する方法が主流です。
ビットコインETFの種類と特徴
ビットコインETFは大きく分けて「現物型」と「先物型」の2種類があります。
- 現物型ビットコインETF:実際にビットコインを保有し、その価格に連動します。価格変動が直接反映されやすく、長期保有に適しています。
- 先物型ビットコインETF:ビットコイン先物契約を基に運用されます。価格の変動は先物市場の動向に左右され、短期的な取引やヘッジに利用されることが多いです。
経費率(運用コスト)は現物型の方が低めに設定されていることが多く、投資家のニーズに応じて選択が可能です。
ビットコインETFのメリット
- 証券取引所を通じて簡単に売買できるため、仮想通貨ウォレットの管理や取引所の利用が不要。
- 規制された金融商品であるため、信頼性や透明性が高い。
- 分散投資の一環として、ポートフォリオに組み込みやすい。
- 税制面での扱いが明確な場合が多く、投資計画が立てやすい。
今後の展望と注目ポイント
2025年以降、米国ではビットコインに続きイーサリアムやライトコイン、リップルなどのアルトコイン現物ETFの承認申請が増加しています。これにより仮想通貨ETF市場はさらに多様化し、投資家の選択肢が広がる見込みです。
また、米国証券取引委員会(SEC)はETFの上場手続きを簡略化する新基準を導入し、より多くの仮想通貨ETFが市場に登場しやすくなっています。アジアやオーストラリアでも規制緩和や承認が進み、グローバルに仮想通貨ETFの普及が加速しています。
日本においても、金融庁の動向に注目が集まっており、将来的に国内でのビットコインETFの取り扱い開始が期待されています。投資家は最新の情報をチェックしつつ、適切な投資判断を行うことが重要です。
まとめ
ビットコインETFは、仮想通貨市場へのアクセスを容易にし、投資の多様化を促進する重要な金融商品です。2025年現在、米国や香港、オーストラリアなどで多くの現物型および先物型ビットコインETFが承認・上場されており、機関投資家から個人投資家まで幅広く利用されています。日本ではまだ承認されていませんが、今後の規制緩和により国内市場での取り扱い開始が期待されています。投資家は各ETFの特徴や運用コストを理解し、自身の投資スタイルに合った商品を選ぶことが重要です。
2025年版 ビットコインETF一覧:主要銘柄・各国の承認状況と選び方をまとめました
本記事では、主要なビットコインETFの一覧とその特徴、地域別の承認状況、そして今後の市場展望について解説しました。ビットコインETFは今後も進化を続け、仮想通貨投資の新たなスタンダードとして注目されるでしょう。最新情報を踏まえた上で、賢明な投資判断に役立ててください。



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