メルカリが提供するビットコイン取引サービス「メルコイン」は、取引手数料が無料とされている一方で、実際には「スプレッド」と呼ばれる買値と売値の差額が実質的な手数料として発生します。このスプレッドが手数料の実態であり、利用者からは「手数料が高い」と感じられることもあります。本記事では、メルカリビットコインの手数料体系を多角的に解説し、スプレッドの仕組みや他取引所との比較、利用時のポイントなどを詳しく紹介します。
メルカリビットコインの手数料体系とは?
メルコインは、ビットコインの売買において「取引手数料無料」を公式に掲げています。しかし、実際にはスプレッドが存在し、これが実質的なコストとなります。スプレッドとは、ビットコインの購入価格(買値)と売却価格(売値)の差額のことで、これが大きいほど利用者の負担が増えます。
2025年時点の調査では、通常は約1%前後のスプレッドが設定されていますが、市場の変動や流動性の低下時には最大で6%程度に達したケースも報告されています。つまり、購入時と売却時の価格差が大きくなることで、実質的に高い手数料負担となる場合があるのです。
スプレッドの具体例
- 通常時:1%前後のスプレッド(例:1BTCを100万円で購入すると、売却時は約99万円程度になるイメージ)
- 相場急変時:最大6%程度のスプレッド(例:100万円で購入したビットコインが売却時に94万円程度になる可能性)
このスプレッドはメルカリ側が明確に公表していないため、利用者は取引のタイミングや相場状況に注意を払う必要があります。
メルコインの手数料が高いと感じられる理由
メルコインのスプレッドが「高い」と感じられる背景にはいくつかの理由があります。
- 販売所形式の取引であること
メルコインは販売所形式での取引を採用しており、取引所形式に比べてスプレッドが広くなる傾向があります。販売所は運営側が価格を提示し、その価格で売買が成立するため、買値と売値の差が大きくなりやすいのです。 - 相場の急変や流動性の影響
市場が不安定な時や取引量が少ない時間帯では、スプレッドが広がりやすく、結果として手数料負担が増加します。 - 手数料が「無料」と誤解されやすい
公式では「取引手数料無料」としているため、スプレッドという形のコストが見えにくく、実際の負担感と乖離が生じることがあります。
他の取引所との手数料比較
メルコインのスプレッドは約1%前後が一般的ですが、他の国内取引所と比較すると以下のような特徴があります。
| 取引所名 | 取引手数料 | スプレッド(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| メルコイン(メルカリ) | 無料(スプレッドあり) | 約1%(最大6%の報告もあり) | メルカリ売上金やポイントで購入可能。メルペイ連携で決済利用も可能。 |
| Coincheck | 無料(販売所) | 0.1~5.0% | 多様な入金方法があり、入金手数料無料。出金手数料は1回407円。 |
| その他取引所(取引所形式) | 0~0.1%程度 | 非常に狭いスプレッド | 取引所形式のためスプレッドが狭く、短期売買に向く。 |
このように、メルコインは販売所形式のためスプレッドが広くなる傾向がありますが、メルカリの売上金やポイントを直接使える利便性や、メルペイとの連携による決済利用など独自のメリットもあります。
メルコインの手数料以外のコストやサービス
メルコインでは、ビットコインの売買手数料はスプレッドのみですが、出金時には手数料が発生します。メルペイ残高への出金は無料ですが、銀行口座への出金は200円の手数料がかかります。これは他の取引所と比較しても低めの水準です。
また、メルコインは2024年8月から「ビットコインつみたて機能」を導入し、定期的にビットコインを購入することが簡単になりました。これにより、長期的な資産形成を目指すユーザーにとって便利なサービスとなっています。
メルコインの利用に向いているユーザー
メルコインは以下のようなユーザーに特に適しています。
- メルカリの売上金やポイントを活用して手軽にビットコインを購入したい人
- メルペイ連携でビットコインを日常の買い物に利用したい人
- 取引手数料無料のサービスを重視し、スプレッドの存在を理解した上で利用できる人
- 長期的な積立投資を検討している人(つみたて機能利用者)
一方で、短期売買や頻繁なトレードを行いたい場合は、スプレッドの広さがコスト増につながるため、取引所形式のサービスを検討するのが望ましいでしょう。
スプレッドを抑えるための工夫や注意点
メルコインのスプレッドは市場状況により変動するため、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
- 相場が安定している時間帯を狙って取引する
- 急激な価格変動時は取引を控える
- 長期保有を前提に購入し、頻繁な売買を避ける
- メルカリのポイントや売上金を活用し、現金の出し入れを減らす
これらの工夫により、スプレッドによるコストを抑えつつ、メルコインの利便性を活かした取引が可能になります。
メルコインの今後の展望とサービス拡充
メルカリは2025年4月からエックスアールピー(XRP)の取扱いを開始するなど、暗号資産サービスの拡充を進めています。今後も新たな通貨の追加や機能改善が期待されており、ユーザーにとってより使いやすい環境が整う可能性があります。
また、メルコインはメルカリの巨大なユーザーベースを活かし、暗号資産の普及促進に貢献しています。手数料体系の透明化やスプレッドの縮小に向けた取り組みも注目されています。
まとめ
メルカリビットコイン(メルコイン)の手数料は、取引手数料自体は無料ですが、実質的にはスプレッドという形でコストが発生します。通常は約1%前後のスプレッドですが、市場状況によっては最大6%程度に広がることもあります。販売所形式のためスプレッドが広くなりやすい一方で、メルカリの売上金やポイントを使って手軽にビットコインを購入できる利便性や、メルペイとの連携による決済利用など独自のメリットもあります。利用者はスプレッドの存在を理解し、長期保有や安定した相場での取引を心がけることで、コストを抑えつつメルコインのサービスを活用できます。
メルカリのビットコインは本当に手数料ゼロ?実は「スプレッド」で最大6%取られる仕組みと節約術をまとめました
メルカリビットコインの手数料は表向き無料ですが、スプレッドという実質的なコストが存在し、これが高いと感じられることがあります。スプレッドは市場の状況により変動し、通常は約1%程度ですが、最大6%に達することもあります。手数料の透明性やスプレッドの幅を理解した上で、メルカリのポイント活用やメルペイ連携などの利便性を活かし、賢く利用することが重要です。



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