近年、暗号資産(仮想通貨)市場の成長とともに、ビットコインETF(上場投資信託)への関心が高まっています。特に日本の金融大手であるSBIホールディングスが、ビットコインを含む暗号資産ETFの開発・上場を計画していることは、国内の投資環境に大きな変化をもたらす可能性があります。本記事では、SBIのビットコインETFの概要、特徴、背景、今後の展望について詳しく解説します。
SBIホールディングスのビットコインETF計画の概要
SBIホールディングスは、2025年に日本初となるビットコインおよびXRP(リップル)を組み入れた暗号資産ETFの上場を目指しています。具体的には、以下の2種類のETF商品を構想しています。
- 金と暗号資産の複合ETF:金関連ETFに51%、暗号資産ETF(ビットコインなど)に49%を割り当てた投資信託で、日本国内の公募投信として提供予定。
- ビットコイン/XRP連動ETF:ビットコインとXRPの2銘柄で構成され、東京証券取引所での上場を目指すETF。
これらのETFは、金融庁の規制当局の承認を得た後に正式に展開される予定であり、現在も協議が進行中です。承認されれば、日本の厳格な金融市場において初めての暗号資産ETFとなる見込みです。
ビットコインETFとは何か?
ビットコインETFは、ビットコインの価格に連動する金融商品で、証券取引所で株式のように売買できます。これにより、投資家は実際にビットコインを保有せずに、証券口座を通じてビットコインの値動きに投資できるメリットがあります。特に、暗号資産取引所の口座を開設しなくても、証券口座から手軽にアクセスできる点が魅力です。
2024年1月には米国の証券取引委員会(SEC)がビットコインの現物ETFを承認し、機関投資家の参入が加速しました。これにより、ビットコインETFは世界的に注目される投資商品となっています。
SBIの暗号資産関連事業とETF開発の背景
SBIホールディングスは、暗号資産交換業者として「SBI VCトレード」や「BITPOINT」を傘下に持ち、2025年6月末時点で170万口座を超える顧客基盤を有しています。これらの取引所の口座数は前年から約90%増加しており、暗号資産市場の拡大を背景に事業を拡大中です。
こうした環境の中、SBIは証券・銀行部門とのシナジーを活かし、暗号資産を組み入れたETFの開発に注力しています。2025年3月期の決算報告では、暗号資産を含む投資信託の準備を公表し、さらに暗号資産ETFの組成計画も明らかにしました。
ビットコインETFのメリットとSBIの強み
ビットコインETFの最大のメリットは、投資家が暗号資産の実物を直接管理することなく、証券口座を通じて安全かつ簡便にビットコインに投資できる点です。これにより、暗号資産の保管リスクや取引所のセキュリティリスクを軽減できます。
SBIグループは金融大手としての信頼性が高く、堅牢なセキュリティ対策や顧客サポート体制を整えています。また、SBIの暗号資産取引所では、24時間365日リアルタイムでの入出金や少額からの取引が可能であり、投資家にとって使いやすい環境が整っています。
日本における暗号資産ETFの法規制と今後の展望
日本ではこれまで、暗号資産を組み入れたETFの上場は法的に認められていませんでした。しかし、金融庁は2025年以降、暗号資産を金融商品として扱う法制度の検討を進めており、SBIのETF商品化計画はこの制度整備の動きを受けたものです。
制度が整い次第、SBIは日本市場での暗号資産ETFの提供に踏み切る方針であり、これにより日本の投資家も証券取引所を通じて安心してビットコインに投資できる環境が整うことが期待されています。
米国市場におけるSBIの動きとグローバル展開
2024年7月、SBIホールディングスは米国の大手資産運用会社フランクリン・テンプルトンと合弁会社を設立し、米国市場でのビットコインETF参入準備を進めています。これは、グローバルな暗号資産ETF市場における存在感を高める戦略の一環です。
米国ではすでに複数のビットコイン現物ETFが承認されており、機関投資家の資金流入が活発化しています。SBIの米国での展開は、日本国内でのETF商品化と相乗効果を生み、投資家に幅広い選択肢を提供することが期待されています。
ビットコインETFがもたらす市場への影響
ビットコインETFの登場は、暗号資産市場の成熟と拡大に寄与します。ETFを通じて機関投資家の参入が増えることで、市場の流動性が向上し、価格の安定化にもつながると考えられています。
また、ETFの仕組み上、需要が高まると新規にETF口数が発行され、現物のビットコイン購入圧力が強まるため、暗号資産市場全体の活性化に貢献します。SBIのETFはこうした市場構造の変化を促進する役割を果たすでしょう。
SBIの暗号資産ETFに関連する最新動向
- 2025年8月には、SBIが国内初の仮想通貨ETF発行を検討していることが報じられ、注目を集めています。
- リップル社のステーブルコイン「RLUSD」の取り扱いも視野に入れており、暗号資産の多様な商品展開を進めています。
- SBIの暗号資産取引所の口座数は2025年6月末で170万口座を突破し、前年から約90%増加するなど、顧客基盤の拡大が続いています。
ビットコインETFの購入方法と注意点
日本でのビットコインETFはまだ正式に上場されていませんが、SBIの計画が実現すれば、証券会社の口座を通じて簡単に購入できるようになります。ETFは株式と同様に取引所で売買可能であり、少額からの投資も可能です。
投資家は、ETFの仕組みやリスクを理解した上で、分散投資の一環として暗号資産ETFを検討すると良いでしょう。SBIは信頼性の高い金融グループとして、投資家保護や情報開示にも注力しています。
まとめ
SBIホールディングスは、日本初のビットコインおよびXRPを組み入れた暗号資産ETFの上場を目指しており、金融庁の規制整備を受けて商品化に向けた準備を進めています。これにより、国内の投資家は証券口座を通じて安全かつ手軽にビットコインに投資できる環境が整う見込みです。SBIの強固な顧客基盤と金融大手としての信頼性は、暗号資産ETF市場の拡大に大きく寄与すると期待されています。
SBI、国内初のビットコイン&XRP組み入れETF上場を目指す―金との複合型も検討をまとめました
SBIのビットコインETFは、暗号資産への新たな投資手段として注目されており、金との複合型ETFやビットコイン/XRP連動ETFなど多様な商品展開が計画されています。今後の金融庁の承認と市場動向に注目しつつ、SBIが提供する安心・便利な投資環境に期待が高まっています。



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