暗号資産に源泉徴収はない?確定申告・課税方式と押さえるべきポイント

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コラム

源泉徴収制度の基本的な仕組み

日本の所得税制度は、所得者自身が年間の所得金額と税額を計算して確定申告し、納付する「申告納税制度」を原則としています。しかし、特定の所得については、所得の支払い時に支払者が所得税を徴収して国に納付する源泉徴収制度が採用されています。

源泉徴収制度が導入されている主な目的は、税金の支払い漏れや徴収漏れを防止することにあります。給与や利子、配当、税理士報酬などの所得が源泉徴収の対象となり、支払者は所定の方法により所得税額を計算し、支払金額からその税額を差し引いて国に納付する形で手続きが進められます。この制度により、脱税の防止と課税の公平性が保たれることになります。

暗号資産取引と源泉徴収の関係

暗号資産の取引から生じた利益に関しては、源泉徴収制度が適用されていません。つまり、暗号資産の売買で利益が生じた場合、交換業者が自動的に税金を徴収することはなく、利用者自身が確定申告を行う必要があります。

これは給与所得や利子所得などとは異なる扱いとなっており、暗号資産取引による利益は「雑所得」として分類されます。利用者は自らの責任において、年間の取引履歴を集計し、利益を計算した上で、確定申告期限までに申告書を提出しなければなりません。

暗号資産取引による所得の課税方式

暗号資産取引で得た利益は「総合課税」という方式で課税されます。これは暗号資産以外で得た給与所得や不動産所得などの他の所得と合算して、総所得金額に対して税率が適用される仕組みです。

総合課税方式では、所得が多くなるほど税率が上がる累進課税が採用されています。具体的には、総所得金額に応じて5%から45%の所得税が課されます。さらに住民税(一律10%)と復興特別所得税を合わせると、最大税率は約55%に達することになります。

例えば、給与所得が500万円で暗号資産のトレードで得た所得が200万円の場合、これらを合算した700万円に対して税率が適用されます。このため、暗号資産取引による利益が大きいほど、全体の税負担が増加する可能性があります。

確定申告が必要となる条件

暗号資産取引による利益が確定申告の対象となるかどうかは、利用者の状況によって異なります。給与所得者の場合、暗号資産の売買で得た総収入額から必要経費を差し引いた額が20万円を超える場合には、必ず確定申告をしなければなりません。

年末調整済みの給与所得者であっても、暗号資産による所得が20万円を超えると課税対象となります。また、暗号資産による利益が20万円に届かなくても、副業などから得た利益と合わせると20万円を超える場合は、申告が必要です。

一方、専業主婦(夫)など給与所得がない方の場合は、暗号資産取引のみによって所得を得ている場合、利益が基礎控除額の48万円を超える場合に確定申告を行う必要が生じます。

さらに、医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除などで確定申告を行う方については、暗号資産取引で得た利益が20万円以下であっても、その確定申告に含めて申告する必要があります。

暗号資産の保有と税金の関係

暗号資産を単に保有しているだけでは、税金は発生しません。税金が課税されるのは、暗号資産を売却したり、他の暗号資産と交換したり、商品やサービスの購入に使用したりして、利益が確定した時点です。

つまり、購入した暗号資産の価格が上昇していても、売却や使用をしなければ課税対象にはならないということです。ただし、一度売却や使用をして利益が確定すれば、その利益は課税対象となります。

所得計算の方法と必要な届出

暗号資産取引による所得を計算する際には、「総平均法」または「移動平均法」のいずれかの方法を選択する必要があります。総平均法は、年間を通じて購入した暗号資産の平均取得価格を基準に利益を計算する方法です。一方、移動平均法は、購入するたびに平均取得価格を更新していく方法です。

どちらの方法を選択するかについては、税務署への届出が必要です。初めて暗号資産を取得した方は、その年分の確定申告期限(通常は翌年の3月15日)までに「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を提出しなければなりません。

確定申告の手順としては、まず年間の取引履歴を集計し、所得を分類します。次に、選択した計算方法を用いて課税対象額を計算し、給与所得や不動産所得などの他の所得と合算して総所得金額を算出します。その後、基礎控除や社会保険料控除、医療費控除などの各種控除を差し引いたものが課税所得となり、これに対して税率が適用されます。

非居住者と暗号資産取引の課税

日本の税法では、居住者と非居住者で課税の範囲が異なります。非居住者の場合、日本国内で稼得した国内源泉所得のみが課税対象となります。

暗号資産取引に関しては、非居住者が国内の交換業者へ暗号資産を売却することで生じた所得は、資産の譲渡に該当するものの、法令で定められた課税対象の資産譲渡には含まれていません。そのため、非居住者による暗号資産の売却は、課税の対象外となり、日本での申告をする必要がないとされています。

また、非居住者が国内の交換業者へ暗号資産を譲渡することで生じた所得については、源泉徴収の対象外とされています。ただし、非居住者が国内において人的役務の提供を行う場合など、特定の状況では国内源泉所得が認識される可能性があります。

2017年の改正資金決済法と本人確認

2017年に施行された「改正資金決済法」では、暗号資産の交換業者に対して、金融庁・財務局への登録制が導入されました。この法律により、暗号資産取引の透明性と安全性が向上することが期待されています。

同時に、利用者に対しては、口座開設時に本人確認を義務付けることが定められました。この措置により、不正な取引や脱税の防止が強化されることになります。登録された交換業者を利用することで、利用者は安心して暗号資産取引を行うことができます。

確定申告に向けた準備と記録管理

暗号資産取引を行う場合、確定申告に向けた準備として、取引記録の管理が非常に重要です。年間の取引履歴を正確に集計することで、所得計算の精度が向上し、申告手続きがスムーズに進みます。

多くの交換業者は、取引履歴をダウンロードできる機能を提供しており、これらのデータを活用することで、効率的に所得を計算することができます。また、複数の交換業者を利用している場合は、各業者からの取引履歴を統合して管理することが必要です。

確定申告書の作成には、年間の取引約定ベースによる確定した損益を正確に把握することが不可欠です。取引記録が不完全であると、申告内容に誤りが生じる可能性があり、後々の税務調査の対象となるリスクが高まります。

暗号資産取引と他の所得との関係

暗号資産取引による所得は、給与所得や事業所得などの他の所得と合算されて課税されます。このため、複数の所得源を持つ方は、全体の所得状況を把握した上で、税負担を計画することが重要です。

例えば、給与所得が高い方が暗号資産取引で利益を得た場合、全体の所得が増加することで、適用される税率が上がる可能性があります。逆に、暗号資産取引で損失が生じた場合、その損失を他の所得と相殺することはできませんが、翌年以降に繰り越すことができる場合もあります。

源泉徴収がない理由と自己申告の重要性

暗号資産取引に源泉徴収制度が適用されていない理由の一つは、取引の多様性と複雑性にあります。給与や利子などの所得とは異なり、暗号資産取引は個人の投資判断に基づいており、取引パターンが非常に多様です。

また、複数の交換業者での取引や、異なる暗号資産間での交換など、所得計算が複雑になる可能性があります。このような状況では、支払者である交換業者が正確に源泉徴収を行うことが困難であるため、利用者自身が確定申告を行う仕組みが採用されています。

このため、暗号資産取引を行う方は、自己申告の重要性を認識し、正確な記録管理と計算を心がけることが必要です。誠実な申告により、課税の公平性が保たれ、社会全体の信頼が構築されることになります。

まとめ

暗号資産源泉徴収について理解することは、暗号資産取引を行う方にとって非常に重要です。暗号資産取引による利益には源泉徴収制度が適用されないため、利用者自身が確定申告を行う必要があります。総合課税方式により、他の所得と合算して税率が決定され、所得が多いほど税負担が増加する仕組みになっています。確定申告が必要な条件を正確に把握し、年間の取引記録を適切に管理することで、スムーズな申告手続きが実現できます。

暗号資産に源泉徴収はない?確定申告・課税方式と押さえるべきポイントをまとめました

暗号資産取引における税務処理は、一般的な給与所得などとは異なる特徴を持っています。源泉徴収制度が適用されないため、利用者の自己申告が基本となります。正確な所得計算と期限内の確定申告により、税務上の義務を果たすことができます。暗号資産取引を行う際には、これらの税務知識を身につけることで、安心して取引を進めることができるようになります。

※診断結果は娯楽を目的としたもので、医学・科学的な根拠はありません。
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