「仮想通貨単位」というキーワードで調べ始めると、BTCやETHといったシンボルや、satoshi(サトシ)、wei(ウェイ)、gwei(ギガウェイ)など、聞き慣れない用語が次々に登場します。はじめて学ぶ人にとっては少し複雑に感じるかもしれませんが、実は“単位の考え方”自体は、円(円・銭)やドル(ドル・セント)といった法定通貨とよく似ています。
本記事では、仮想通貨の「単位」に焦点を当て、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など代表的な銘柄を中心に、最小単位から補助単位までを体系的に整理して解説します。初心者の方でも無理なく理解できるよう、できるだけ実生活のイメージに近づけて説明しながら進めていきます。
仮想通貨の単位とは何か
まずは、「仮想通貨の単位」とは何を指しているのかを整理しておきましょう。
仮想通貨の単位=数量を表す“ものさし”
仮想通貨の単位とは、その仮想通貨の数量を表すための“ものさし”です。円であれば「1円」「10円」、ドルであれば「1ドル」「10ドル」と表現するように、仮想通貨でも「1BTC」「0.01BTC」といった形で量を示します。
多くの仮想通貨には、次の2段階以上の単位が用意されています。
- 通貨全体を表す基本単位(例:BTC、ETH、XRP など)
- 少額を扱うための最小単位・補助単位(例:satoshi、wei、gwei など)
このような細かい単位が必要になるのは、仮想通貨の多くが小数点以下の桁数まで取引できるように設計されており、価格の変動によっては「1通貨単位」よりもずっと小さな数量で支払い・送金が行われることがあるためです。
法定通貨と仮想通貨の単位の違い
単位という考え自体は法定通貨と共通していますが、仮想通貨には次のような特徴があります。
- 物理的な形がない:仮想通貨は紙幣や硬貨ではなく、ブロックチェーン上のデータとして存在しているため、「枚数」というより「数量」をデジタルで管理します。
- 小数点以下の桁数が多い:ビットコインをはじめ、多くの仮想通貨は小数点以下8桁など、非常に細かい単位まで分割可能です。
- 通貨ごとに最小単位の呼び名が違う:satoshi、wei、stroop など、プロジェクトごとにユニークな名前が付けられています。
このように、仮想通貨の単位を理解しておくと、取引画面や送金画面に登場する数字の意味が分かりやすくなり、誤送金や入力ミスを避けるためにも役立ちます。
ビットコイン(BTC)の単位
仮想通貨の代名詞ともいえるビットコインには、いくつかの単位が用意されています。ここでは、よく使われる単位を中心に整理します。
基本単位:BTC(ビットコイン)
ビットコインの基本単位はBTCです。「1BTC」という表記は、円でいう「1円」、ドルでいう「1ドル」に相当します。ニュースや価格チャートで出てくる「ビットコインの価格」は、通常この1BTCあたりの価格を指しています。
ビットコインは最大発行数量が2,100万BTCとあらかじめ決められており、その範囲の中で細かい単位へと分割されて利用されます。
最小単位:satoshi(サトシ)
ビットコインの世界で非常に重要なのが、最小単位にあたるsatoshi(サトシ)です。これはビットコインの考案者とされる「サトシ・ナカモト」の名前にちなんでいます。
ビットコインの最小単位の関係は次のとおりです。
- 1 BTC = 100,000,000 satoshi
- 1 satoshi = 0.00000001 BTC
つまり、ビットコインは1BTCを 1億分の1 まで分割して扱えるということになります。価格が高くなった場合でも、satoshi単位で少額決済を行えるようになっているのが特徴です。
中間的な補助単位:mBTC、μBTC、bit など
日常的な金額をイメージしやすくするため、BTCとsatoshiの間を埋めるような補助単位も提案されています。代表的なものは次のとおりです。
- mBTC(ミリビットコイン):1 mBTC = 0.001 BTC(1000分の1ビットコイン)
- μBTC(マイクロビットコイン):1 μBTC = 0.000001 BTC(100万分の1ビットコイン)
- bit(ビット):1 bit = 0.000001 BTC(μBTC と同じ数量を指す場合があります)
取引所やウォレットによっては、ユーザーが数量を理解しやすいように、BTCではなく mBTC や μBTC で表示されることもあります。たとえば「0.001 BTC」と表示される代わりに「1 mBTC」と表示される、といった使い方です。
ビットコインキャッシュ(BCH)との関係
ビットコインからハードフォークして誕生したビットコインキャッシュ(BCH)も、基本的な設計はビットコインに近く、単位体系も似ています。BCHの基本単位は BCH で、最小単位として satoshi が用いられるなど、ビットコインと同様の考え方が採用されています。
また、mBCH、μBCH、bits といった補助単位を利用する考え方もあり、細かい金額の送受金や決済に利用される場面では、こうした補助単位が役立ちます。
イーサリアム(ETH)の単位
次に、ビットコインに次いでよく知られている仮想通貨であるイーサリアム(Ethereum)の単位体系を見ていきましょう。イーサリアムには、ビットコイン以上に多くの補助単位が定義されています。
基本単位:ETH(イーサ)
イーサリアムの基本単位はETHで、通貨名としては「ether(イーサ)」とも呼ばれます。ニュースや取引画面では「1ETH」「0.5ETH」といった形で表記されます。
最小単位:wei(ウェイ)
イーサリアムの最小単位はwei(ウェイ)です。ビットコインの satoshi に相当する存在で、1ETH を非常に細かく分割して扱うことができます。
- 1 ETH = 1,000,000,000,000,000,000 wei(10の18乗 wei)
- 1 wei = 0.000000000000000001 ETH
イーサリアムはスマートコントラクトや分散型アプリケーション(DApps)の基盤として利用されているため、ネットワーク手数料やプログラム内での計算など、極めて少額の単位を扱う必要があります。そのため、法定通貨よりもさらに細かい単位が定義されています。
よく使われる補助単位:gwei(ギガウェイ)など
イーサリアムでは、weiをもとにした中間的な単位が多数用意されていますが、特によく目にするのはgwei(ギガウェイ)です。ガス代(取引手数料)の計算や表示にも多く使われます。
主な単位とETHの関係を整理すると次のようになります。
- 1 kwei = 1,000 wei
- 1 mwei = 1,000,000 wei
- 1 gwei = 1,000,000,000 wei(10の9乗 wei)
- 1 szabo = 1,000,000,000,000 wei
- 1 finney = 1,000,000,000,000,000 wei
- 1 ether(ETH)= 1,000,000,000,000,000,000 wei
このうち、一般ユーザーがもっともよく目にするのは gwei です。ウォレットやブロックチェーンエクスプローラーでは、ガス価格が「30 gwei」などの形で表示されることが多く、ネットワークの混雑状況によってこの数値が変動します。
kether・mether・gether・tether などの大きな単位
イーサリアムでは、ETHよりもさらに大きい単位も定義されています。たとえば、次のような単位があります。
- 1 kether(kETH)= 1,000 ETH
- 1 mether(METH)= 1,000,000 ETH
- 1 gether(GETH)= 1,000,000,000 ETH
- 1 tether(TETH)= 1,000,000,000,000 ETH
これらの単位は日常の取引で頻繁に使われるわけではありませんが、プロジェクトの規模感や大口の取引などをイメージする際、単位の概念として知っておくと役に立つことがあります。
その他の代表的な仮想通貨と単位
ビットコインやイーサリアム以外にも、多くの仮想通貨が独自の単位体系を採用しています。ここでは、国内外でよく知られている仮想通貨を中心に、単位の特徴を整理します。
ネム(NEM)・シンボル(Symbol)
ネム(NEM)は、かつて国内でも人気を集めたプラットフォーム型の仮想通貨で、通貨の名前はXEM(ゼム)と呼ばれています。
- 基本単位:XEM
- 最小単位:μXEM(マイクロゼム)
ビットコインやイーサリアムのように、特別な名称をもつ中間単位はあまり一般的ではなく、主にXEMと、その100万分の1にあたるμXEMが使われます。
ネムの後継となるプロジェクトとして「Symbol(シンボル)」も知られており、こちらの通貨単位はXYMが使われますが、単位の基本的な考え方は同様です。
リップル(XRP)
リップルは国際送金などに活用されることを想定して開発された仮想通貨で、通貨単位はXRPです。発行上限は1000億XRPに設定されています。
XRPも小数点以下の単位まで取引できますが、ビットコインのように特別な固有名をもつ補助単位(satoshiなど)は一般的にはあまり使用されません。取引所やウォレットでは、0.1XRP、0.01XRPといった形で小数表示されることが多いです。
ライトコイン(LTC)
ライトコイン(LTC)は、ビットコインの改良版として生まれた仮想通貨で、決済のスピードやブロック生成時間の短さが特徴です。発行上限は8,400万LTCとされており、ビットコイン(2,100万BTC)の4倍に相当します。
- 基本単位:LTC
- 補助単位の例:mLTC、μLTC、bits など
一部のサービスや説明資料では、ライトコインについてもミリ(mLTC)やマイクロ(μLTC)といった細かい単位を使って、より少額の取引を分かりやすく表示する工夫がされています。
ステラルーメン(XLM)と stroop
ステラルーメン(Stellar Lumens)は、送金や決済をスムーズに行うことを目的としたブロックチェーンプロジェクトで、通貨単位はXLMです。
ステラルーメンの最小単位として知られているのがstroop(ストループ)です。
- 1 XLM = 10,000,000 stroop
- 1 stroop = 0.0000001 XLM
このように、XLMも非常に細かい単位まで分割して利用できるように設計されています。国際送金などで少額の手数料を扱う際には、このような最小単位が役立ちます。
カルダノ(ADA)などその他のアルトコイン
カルダノ(Cardano)の通貨単位はADAです。ADAも小数点以下の単位を扱えますが、多くの場合はXRPと同様、0.1ADA、0.01ADAといった一般的な小数表記で扱われます。
その他にも、ポルカドット(DOT)、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)、チェーンリンク(LINK)など多種多様なアルトコインがあり、それぞれに固有の通貨単位が存在します。基本的には、
- シンボル(例:DOT、SOL、AVAX、LINK)が基本単位
- 小数点以下で細かい数量を表現
というスタイルが共通しており、一部の通貨では最小単位に独自の名前が付けられています。
取引所・ウォレットでの表示単位と最小取引単位
ここまで説明してきた「通貨としての最小単位」と、実際に取引所やウォレットで扱える「最小取引単位」は、必ずしも同じとは限りません。実務上役立つポイントとして、この違いを理解しておくと便利です。
ブロックチェーン上の最小単位と、取引所の最小注文数量
仮想通貨のプロトコル(ルール)として定められた最小単位は、ビットコインで言えば 1 satoshi、イーサリアムで言えば 1 wei です。しかし、実際に取引所で注文を出す場合は、システムやルール上の制約により、これよりも大きい単位からしか売買できないことがあります。
例えば、ある取引所では「最小取引数量は 0.0001 BTC から」と定められているとすると、それより小さな数量(たとえば 0.00000001 BTC)を直接売買することはできません。同様に、送金手数料や残高の表示単位も、ユーザーが見やすいように調整されていることがあります。
表示単位が違っても、価値の本質は同じ
取引所やウォレットによっては、同じ通貨であっても、
- BTC 表記か、mBTC 表記か
- ETH 表記か、gwei 表記か
といった違いが生じることがあります。しかし、これらはあくまで「表示方法」の違いであり、実際にブロックチェーン上で管理されている数量は、プロトコルが定める最小単位に基づいて一貫しています。
重要なのは、「単位の換算関係(1BTC=1億satoshi など)」をしっかり理解しておくことです。そうすることで、表示の違いがあっても、本質的な価値や数量を見誤ることなく把握できるようになります。
仮想通貨単位を理解するメリット
仮想通貨の単位を詳しく理解しておくことには、さまざまなメリットがあります。ここでは、実際に取引や利用をするうえで役立つポイントをまとめます。
1. 少額決済やマイクロペイメントをイメージしやすくなる
仮想通貨は、インターネット上で少額決済(マイクロペイメント)に活用されることが期待されています。たとえば、
- コンテンツ閲覧のための数十円単位の支払い
- ゲーム内での細かなアイテム購入
- オンラインサービスの細切れ課金
といった場面では、1BTCや1ETHといった大きな単位ではなく、satoshiやgweiといった細かい単位での決済が現実的です。単位体系を理解しておけば、こうした少額決済のイメージがつかみやすくなります。
2. 手数料(ガス代)の仕組みを理解しやすい
特にイーサリアムなどのスマートコントラクト系のブロックチェーンでは、取引を実行する際にガス代と呼ばれる手数料を支払います。このガス代は、gwei や wei といった単位で計算されることが一般的です。
単位を理解していれば、
- ガス価格が「30 gwei」から「50 gwei」に変化したときの影響
- トランザクションごとに必要なガス量との掛け算イメージ
などが感覚的に分かるようになり、無駄な手数料を支払ってしまうリスクを抑えることにもつながります。
3. 数量入力のミスを減らせる
仮想通貨の取引では、小数点以下8桁など、非常に細かい数字を扱う場面が多くあります。単位を正しく理解していないと、
- 「0.01 BTC」のつもりが「0.001 BTC」と入力してしまう
- gwei と wei を混同して、手数料設定を誤る
といったミスが生じる可能性があります。単位の関係をきちんと把握しておけば、数字に対する感覚が養われ、こうしたミスを減らすことが期待できます。
4. 複数通貨を比較・理解しやすくなる
ビットコイン、イーサリアム、XRP、LTC、XLM、ADA など、仮想通貨の銘柄が増えていくにつれて、それぞれの単位体系をざっくりでも理解しておくことが、情報収集や学習の効率を上げるうえで役立ちます。
たとえば、
- ビットコイン:1BTC=1億satoshi
- イーサリアム:1ETH=10の18乗 wei
- ステラルーメン:1XLM=1,000万stroop
という対応関係を知っていると、「この通貨はどれくらい細かく分割できるのか」「少額決済にどの程度向いていそうか」といった観点で比較しやすくなります。
仮想通貨単位と投資判断は切り分けて考える
仮想通貨の単位を学んでいると、「最小単位が細かい=将来の値上がり余地が大きい」といったイメージを持ってしまうことがあります。しかし、単位と価格の動きは直接的には結びつきません。
たとえば、
- ビットコインの最小単位は 1 satoshi
- イーサリアムの最小単位は 1 wei
という違いがありますが、この違いだけで「どちらの価格が今後どのように動くか」を判断することはできません。単位の細かさは、あくまで利用上の利便性や設計思想の一部を表しているに過ぎません。
仮想通貨について考える際は、
- プロジェクトの目的・技術的特徴
- 利用されているサービスやエコシステム
- 開発コミュニティやパートナーシップ
など、さまざまな要素をバランスよく見ていくことが大切です。単位の理解はその一要素として、主に「仕組みを正しく把握する」「日々の取引や利用をスムーズにする」といった場面で役に立ちます。
これから仮想通貨単位を学ぶ人へのヒント
最後に、仮想通貨単位を今後さらに深く学びたい人に向けて、いくつかのポイントを紹介します。
公式ドキュメントや信頼できる解説を活用する
仮想通貨の単位は、プロジェクトごとに公式ドキュメントやホワイトペーパーなどで定義されています。英語の資料が多いものの、基本的な単位や換算に関する情報は比較的分かりやすく記載されていることが多いです。
また、国内の取引所や暗号資産関連サービスの解説記事でも、ビットコインやイーサリアムの単位について図表付きで説明しているものがあります。複数の情報源を見比べながら学ぶことで、理解がより確かなものになります。
自分で簡単な換算表やメモを作ってみる
単位体系は、実際に手を動かしてメモを作ってみると、ぐっと頭に入りやすくなります。たとえば、
- 1BTC=1億satoshi
- 0.01BTC=100万satoshi
- 1ETH=10の18乗wei、1gwei=10の9乗wei
といった関係を、自分なりの表や図にまとめておくと、取引画面を見たときに「この数字はどれくらいの量を意味しているのか」が直感的に分かるようになります。
少額から実際に送金やテストをして感覚をつかむ
実際に仮想通貨を扱う際には、必ずリスクを理解した上で、まずは余裕資金の範囲内で少額から試してみることが大切です。小さな数量を送金したり、ウォレット間で移動させたりすることで、
- 単位と数量の感覚
- 手数料の計算と表示の仕組み
などが、実体験を通して身についていきます。あくまで無理のない範囲で、小さく試しながら慣れていくことが、安心して仮想通貨を扱ううえでの近道と言えます。
まとめ
仮想通貨の単位は、一見すると難しそうに見えますが、基本的な考え方は法定通貨とよく似ています。ビットコインには「BTC」と「satoshi」、イーサリアムには「ETH」と「wei」「gwei」、ステラルーメンには「XLM」と「stroop」といったように、通貨ごとに基本単位と最小単位、場合によっては複数の補助単位が用意されています。これらを理解しておくことで、少額決済のイメージがつかみやすくなり、取引所での数量入力や手数料設定のミスを減らすことにもつながります。また、単位の違いそのものが将来の価格を決めるわけではないことを理解しつつ、あくまで「仕組みを理解するための基礎知識」として前向きに活用していくことが大切です。
はじめての仮想通貨単位ガイド:BTCのsatoshi・ETHのwei/gweiをやさしく解説をまとめました
仮想通貨単位を学ぶことは、ビットコインやイーサリアムをはじめとする暗号資産の世界へ一歩踏み込むための重要な入り口です。1BTC=1億satoshi、1ETH=10の18乗weiといった関係を押さえれば、取引画面に表示される数値や、ニュースで語られる「ガス代」「最小単位」といった言葉の意味がぐっと分かりやすくなります。今後、仮想通貨やブロックチェーン技術がさまざまなサービスに取り入れられていく中で、単位の仕組みを知っていることは、自分の資産や取引をより正確に理解し、安心してデジタルな経済活動に参加するための心強い基盤となるでしょう。



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