仮想通貨の取引を始める際、取引所選びは非常に重要な決断です。同じ仮想通貨を購入するにしても、利用する取引所によって支払う手数料が大きく異なる場合があります。本記事では、国内の主要な仮想通貨取引所の手数料体系を詳しく比較し、どの取引所がどのような場面で最適なのかを解説します。
仮想通貨取引所の手数料の種類
仮想通貨取引所を利用する際には、複数の種類の手数料が発生する可能性があります。これらの手数料を理解することが、コスト効率的な取引の第一歩となります。
入金手数料
日本円を取引所に入金する際に発生する手数料です。入金方法によって異なり、銀行振込、コンビニ入金、クイック入金などの選択肢があります。多くの主要取引所では銀行振込による入金は無料ですが、コンビニ入金やクイック入金を利用する場合は手数料が発生することが一般的です。例えば、コンビニ入金の場合は770円から1,018円程度の手数料がかかる取引所が多くあります。
出金手数料
取引所から日本円を銀行口座に出金する際に発生する手数料です。出金額によって手数料が異なる場合もあります。一般的には数百円程度の手数料が設定されていますが、取引所によって大きな差があります。
取引手数料
仮想通貨を売買する際に発生する手数料です。取引所には「販売所」と「取引所」という2つの形式があり、それぞれ手数料体系が異なります。販売所では手数料が無料の場合が多いですが、その代わりにスプレッド(買値と売値の差)が実質的な手数料となります。一方、取引所形式では手数料が発生しますが、スプレッドが販売所より狭いため、全体的なコストが低くなることが多いです。
スプレッド
販売所で仮想通貨を購入する際、提示される買値と売値の差をスプレッドと呼びます。これは実質的な手数料として機能し、一般的には3%から6%程度の幅があります。スプレッドが狭い取引所ほど、より有利な価格で取引できることになります。
送金手数料
取引所から他のウォレットやアドレスに仮想通貨を送付する際に発生する手数料です。銘柄によって異なり、取引所によっても設定が異なります。
主要取引所の手数料比較
GMOコイン
GMOコインは、手数料の安さで特に注目されている取引所です。日本円の入金手数料と出金手数料がともに無料(2,000万円以下の場合)であることが大きな特徴です。取引手数料も競争力があり、Maker手数料が-0.01%から-0.03%(報酬)、Taker手数料が0.05%から0.09%となっています。販売所のスプレッドも約2%から3%と、業界内でも狭い水準を保っています。総合的なコスト効率を重視する利用者にとって、GMOコインは優れた選択肢となります。
SBI VCトレード
SBI VCトレードも、入出金手数料がともに無料という点で優れています。取引手数料はMaker手数料が-0.01%(報酬)、Taker手数料が0.05%と設定されており、頻繁に取引する利用者にとって有利な構造になっています。スプレッドも約2%から4%と比較的狭く、全体的にバランスの取れた手数料体系を提供しています。
bitbank
bitbankは、特にMaker手数料が-0.02%という報酬体系を採用しており、頻繁に取引する利用者にとって非常に有利です。つまり、取引量が多いほど手数料として報酬を受け取ることができます。出金手数料は3万円未満で550円、3万円以上で770円となっています。取引所形式での取引を中心に考えている利用者にとって、bitbankは魅力的な選択肢です。
Coincheck
Coincheckは初心者向けの使いやすさで知られており、取引所形式の取引手数料は無料です。ただし、販売所のスプレッドが約3%から5%と比較的広く、出金手数料が407円かかるという点は注意が必要です。銀行振込による入金は無料ですが、コンビニ入金やクイック入金を利用する場合は770円から1,018円の手数料が発生します。初心者が少額から始める場合には適していますが、取引量が増える場合は他の取引所への乗り換えを検討する価値があります。
bitFlyer
bitFlyerは取引手数料が0.01%から0.15%の範囲で設定されており、取引量によって変動します。出金手数料は220円から770円で、出金先の銀行や出金額によって異なります。三井住友銀行への出金の場合は比較的安い手数料が設定されています。販売所のスプレッドは約3%から5%となっています。
BITPOINT
BITPOINTは入金手数料が無料で、出金手数料も月1回までは無料という特徴があります。2回目以降の出金には330円の手数料がかかります。この仕組みは、月に1回程度の出金を予定している利用者にとって有利です。
販売所と取引所の手数料の違い
仮想通貨取引所を利用する際に理解すべき重要なポイントが、販売所と取引所の違いです。これらは異なる取引方式であり、手数料体系も大きく異なります。
販売所は、取引所が提示する価格で直接仮想通貨を購入・売却する方式です。手数料は無料の場合が多いですが、その代わりにスプレッドが広く設定されています。例えば、ビットコインを購入する際、販売所では3%から5%のスプレッドが発生することが一般的です。これは、実質的には3%から5%の手数料を支払っているのと同じ意味になります。販売所の利点は、操作が簡単で初心者向けであることと、すぐに取引が成立することです。
一方、取引所は、ユーザー同士が直接取引する方式です。板取引と呼ばれるこの方式では、買いたい人と売りたい人の注文が一致したときに取引が成立します。手数料は0.01%から0.15%程度と、販売所に比べて大幅に安くなっています。スプレッドも販売所より狭いため、全体的なコストが低くなります。ただし、操作がやや複雑で、注文が成立しない可能性もあります。
具体的な例を挙げると、100万円分のビットコインを購入する場合、販売所では3万円から5万円のスプレッドが発生しますが、取引所では1,000円から1,500円程度の手数料で済みます。この差は非常に大きく、取引量が多いほど顕著になります。
手数料以外の重要な要素
取扱銘柄数
取引所によって取り扱っている仮想通貨の種類が異なります。ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな銘柄はほとんどの取引所で扱われていますが、マイナーな銘柄は限定的です。自分が取引したい銘柄が取り扱われているかを確認することは重要です。
セキュリティ
仮想通貨取引所を選ぶ際には、セキュリティ対策も重要な要素です。大手の取引所は一般的に高度なセキュリティ対策を実施していますが、取引所によって対策の内容は異なります。
ユーザーインターフェース
取引所のアプリやウェブサイトの使いやすさも、長期的に利用する際には重要な要素です。初心者向けのシンプルなインターフェースから、上級者向けの高機能なツールまで、取引所によって異なります。
手数料を抑えるための戦略
取引所形式の活用
販売所ではなく取引所形式を利用することで、手数料を大幅に削減できます。操作がやや複雑ですが、慣れると効率的に取引できるようになります。
入出金方法の工夫
銀行振込による入金は無料の取引所が多いため、コンビニ入金やクイック入金を避けることで手数料を節約できます。また、出金手数料が無料の取引所を選ぶことも重要です。
複数取引所の活用
異なる目的に応じて複数の取引所を使い分けることで、全体的なコストを最適化できます。例えば、頻繁に取引する場合はbitbankを、少額から始める場合はCoincheckを、というように使い分けることが可能です。
取引量の最適化
一度に大量に取引するのではなく、複数回に分けて取引することで、スプレッドの影響を最小化できる場合があります。ただし、この戦略は市場の動きを見ながら慎重に実行する必要があります。
初心者向けの取引所選びのポイント
仮想通貨取引を初めて始める場合、手数料だけでなく他の要素も考慮する必要があります。
まず、ユーザーインターフェースの使いやすさが重要です。複雑な操作は避けたいという場合は、Coincheckのような初心者向けの取引所から始めるのが良いでしょう。次に、セキュリティ対策が充実しているかを確認することも大切です。大手の取引所は一般的に信頼性が高いため、安心して利用できます。
また、取り扱っている仮想通貨の種類も確認しましょう。ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな銘柄から始める場合は、ほとんどの取引所で問題ありませんが、特定のマイナーな銘柄に興味がある場合は、事前に確認が必要です。
さらに、カスタマーサポートの充実度も重要な要素です。問題が発生した際に迅速に対応してくれる取引所を選ぶことで、安心して取引できます。
取引スタイル別の最適な取引所
少額から始めたい初心者向け
Coincheckは初心者向けの使いやすさで知られており、アプリの操作も直感的です。手数料は若干高めですが、学習段階では許容できる範囲です。
頻繁に取引する活発なトレーダー向け
bitbankのMaker手数料-0.02%という報酬体系は、取引量が多いほど有利になります。GMOコインやSBI VCトレードも入出金手数料が無料で、総合的なコストが低いため、活発なトレーダーに適しています。
コスト効率を最優先する利用者向け
GMOコインとSBI VCトレードは、入出金手数料がともに無料で、スプレッドも狭いため、総合的なコスト効率が最も優れています。
特定の銘柄に特化したい利用者向け
取り扱っている銘柄数が多い取引所を選ぶことが重要です。事前に自分が取引したい銘柄が取り扱われているかを確認しましょう。
手数料比較の実例
具体的な取引シナリオで、異なる取引所の手数料がどの程度異なるかを見てみましょう。
シナリオ1:100万円を入金して10万円分のビットコインを購入し、その後出金する場合
Coincheckを利用した場合、銀行振込による入金は無料、販売所でのスプレッドは約3%で3,000円、出金手数料は407円となり、合計約3,407円のコストがかかります。
一方、GMOコインを利用した場合、入金は無料、販売所でのスプレッドは約2%で2,000円、出金手数料は無料となり、合計約2,000円のコストで済みます。この場合、GMOコインの方が約1,400円安くなります。
さらに、取引所形式を利用できる場合は、スプレッドの代わりに取引手数料が発生します。bitbankで取引所形式を利用した場合、Maker手数料-0.02%で報酬を受け取ることができ、Taker手数料は0.12%となります。この場合、さらにコストを削減できる可能性があります。
シナリオ2:月に複数回取引する活発なトレーダーの場合
月に10回取引する場合、取引所形式の手数料の差が大きく影響します。bitbankのMaker手数料-0.02%という報酬体系は、月に10回の取引で累積すると、かなりの報酬を受け取ることができます。
一方、Coincheckの取引所形式ではMaker手数料が-0.01%、Taker手数料が0.05%となっており、bitbankより若干高くなります。月間の取引量が多い場合は、この差が顕著に現れます。
2026年の取引所手数料の動向
仮想通貨市場の成長に伴い、取引所間の競争も激化しています。手数料の引き下げやサービスの充実化が進んでいる傾向が見られます。
特に、入出金手数料を無料にする取引所が増えており、ユーザーにとってより有利な環境が整いつつあります。また、取引所形式での取引を促進するため、手数料を引き下げたり報酬を増やしたりする取引所も増えています。
今後も、取引所間の競争により、手数料がさらに低下する可能性があります。ユーザーは定期的に各取引所の手数料を確認し、最も有利な取引所を選択することが重要です。
まとめ
仮想通貨取引所の手数料は、取引所によって大きく異なります。入金手数料、出金手数料、取引手数料、スプレッドなど、複数の種類の手数料が存在し、これらを総合的に考慮して取引所を選択することが重要です。GMOコインやSBI VCトレードは入出金手数料が無料で、総合的なコスト効率が優れています。一方、bitbankは報酬型の手数料体系を採用しており、頻繁に取引する利用者に有利です。Coincheckは初心者向けの使いやすさで知られていますが、手数料は若干高めです。自分の取引スタイルや目的に応じて、最適な取引所を選択することで、効率的に仮想通貨取引を行うことができます。
【2026年版】国内仮想通貨取引所の手数料を徹底比較 — 初心者〜頻繁取引者までの最適な選び方をまとめました
仮想通貨の取引を始める際には、複数の取引所の手数料を比較し、自分の取引スタイルに最適な取引所を選択することが重要です。販売所と取引所の違いを理解し、入出金手数料、取引手数料、スプレッドなどを総合的に考慮することで、コスト効率的な取引が可能になります。初心者から活発なトレーダーまで、様々なニーズに対応した取引所が存在するため、自分の目的に合わせて選択しましょう。定期的に各取引所の手数料を確認し、最も有利な条件で取引することが、長期的な資産形成につながります。



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