「ビットコインETFは日本でいつ買えるようになるのか」という疑問は、暗号資産に興味を持つ多くの投資家にとって最大の関心事のひとつです。米国ではすでに2024年1月に現物型ビットコインETFが承認され、世界中の機関投資家マネーを引き寄せています。一方の日本では、依然として国内の証券会社を通じてビットコインETFを購入することはできません。しかし、2025年末から2026年初頭にかけて、状況は大きく動き始めました。本記事では、最新の制度動向や解禁スケジュールの見通し、現時点で取り得る投資戦略まで、これからの投資判断に役立つ情報をやさしく整理してお伝えします。
結論:日本でのビットコインETF解禁は2028年が有力
結論からお伝えすると、国内のビットコインETFは2028年にも解禁される見通しとなっています。複数の経済メディアの報道と金融当局の動きを総合すると、2026年から2027年にかけて関連法令の改正が行われ、2028年以降に東京証券取引所で上場・売買が可能になるシナリオが現時点で最も現実的です。
もちろん、これは制度設計と税制改正の進み具合によって前後する可能性があります。ただし、これまで「いつになるかわからない」と言われ続けてきた国内ETFが、はっきりとした時間軸で語られるようになったこと自体が、大きな前進といえるでしょう。
そもそもビットコインETFとは何か
ETF(上場投資信託)は、株式と同じように証券取引所で売買できる投資信託のことを指します。ビットコインETFは、その名のとおりビットコインの値動きに連動するように設計された金融商品です。大きく分けると、ビットコインそのものを裏付け資産とする「現物型ETF」と、先物取引を活用した「先物型ETF」の2種類があります。
これまで暗号資産投資といえば、専用の取引所で口座を開設し、ウォレットの管理やセキュリティ対策まで自分で行う必要がありました。一方、ETFが解禁されれば、証券口座ひとつで株式や金のETFと同じように売買できるようになります。秘密鍵の管理が不要になり、相続時の手続きも一般の有価証券に準じる形で整理しやすくなる点は、長期投資家にとって非常に大きなメリットです。
日本でビットコインETFが買えない理由
日本でビットコインETFがまだ販売されていないのは、法律上の制約が大きな理由です。投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)では、投資信託が組み入れることのできる資産が「特定資産」として明確に定められています。現在の特定資産には暗号資産が含まれていません。そのため、運用会社がビットコインを裏付け資産とした投資信託やETFを組成しようとしても、現行制度では実現できない仕組みになっているのです。
加えて、暗号資産の所得は雑所得として総合課税の対象となり、税率は最大で約55%にまで達します。一方の株式や投資信託の譲渡益は申告分離課税で約20%です。この税率差が大きいため、仮にETFを組成しても投資家にとって魅力的な商品設計が難しいという課題もありました。制度面と税制面の両方を整える必要があるからこそ、解禁までに時間がかかってきた背景があります。
2025〜2026年に動き出した解禁への道筋
転機となったのが、2025年12月に公表された令和8年度(2026年度)の税制改正大綱です。ここで暗号資産ETFについて「投信法施行令の改正を前提に組成可能」と明記され、ETFから生じる所得を申告分離課税の対象とする方針が示されました。これにより、長年の課題だった制度面と税制面の整合性に道筋がつき、解禁シナリオが一気に現実味を帯びることになりました。
さらに2026年1月には、金融庁が投信法施行令を改正し、特定資産に暗号資産を加える方針との報道が相次ぎました。これに合わせ、暗号資産取引で得た利益についても申告分離課税(税率20%)への移行が検討されています。ビットコイン現物の譲渡益とETFの譲渡益を同じ枠組みで課税することで、投資家にとってわかりやすく、長期保有もしやすい環境が整いつつあります。
解禁時期:早ければ2028年に上場へ
各種報道を整理すると、解禁スケジュールはおおむね次のように描かれています。
- 2026年:税制改正大綱を踏まえた法案が国会に提出される見通し
- 2027年:投信法施行令の改正、関連ガイドラインの整備
- 2028年:東京証券取引所での初の現物型ビットコインETF上場が視野に
もちろん、この時間軸は一例であり、政治的な動きや金融市場の状況、国際的な規制動向に応じて前後する可能性があります。ただし、「数年以内に確実に動き出す」というメッセージが行政側から発信されていることは、これから資産形成を考える個人投資家にとって心強い材料です。
商品開発を進める国内大手
制度整備の動きに合わせ、国内の大手金融グループも商品開発の準備を進めています。報道によれば、SBIホールディングスや野村ホールディングスをはじめとする運用会社が、ビットコインを対象とした投資信託やETFの組成を検討しているとされています。SBIは決算説明資料の中で「SBI・ビットコイン/XRP ETF」という具体的な商品名を公表したと報じられており、現実的な商品ラインアップを想定した動きが進んでいます。
このほかにも、複数の大手運用会社がビットコインや主要アルトコインを対象とした投資信託の研究を進めているとされています。解禁後には複数社から競合する商品が一気に登場し、信託報酬や流動性の競争が起きる可能性が高いため、投資家としては「どの商品を選ぶか」を比較できる楽しみも増えるでしょう。
解禁までの間にできる4つの選択肢
「とはいえ2028年まで待てない」「今のうちにビットコインへエクスポージャーを取りたい」という声も多いはずです。現時点で日本の個人投資家が選べる現実的な方法は、おもに次の4つです。
1. 国内の暗号資産取引所でビットコインを直接購入する
もっとも一般的な方法は、金融庁登録済みの国内取引所でビットコインを現物購入する方法です。少額から始められ、24時間365日売買できることが大きな魅力です。長期保有であれば、頻繁に売買せず積立サービスを活用すると、価格変動リスクを抑えやすくなります。
2. 海外証券会社で米国上場のビットコインETFを購入する
米国市場ではすでに複数の現物型ビットコインETFが上場しています。日本居住者でも、海外の証券会社で口座を開設すれば、米国上場のETFを売買することは可能です。国内ETFと同じような感覚で取引できる一方、為替リスクや海外口座特有の確定申告の手間がある点には注意が必要です。CRS(共通報告基準)に基づく口座情報の自動交換対象にもなるため、税務面の正確な理解が前提となります。
3. 暗号資産関連株への投資
マイニング企業や暗号資産取引所運営企業、ブロックチェーン技術を扱う上場企業の株式を通じて、間接的にビットコイン市場の成長を取りに行く方法もあります。NISA口座でも投資しやすく、配当を狙える銘柄もあるのがメリットです。ただし株価はビットコイン価格と完全には連動しないため、その点を理解したうえで活用すると効果的です。
4. 国内で取り扱われる暗号資産関連の投資信託
現物のビットコインを直接組み入れることはできなくても、ブロックチェーン関連の上場企業に投資するテーマ型の投資信託は国内でも複数販売されています。NISAのつみたて投資枠や成長投資枠と組み合わせやすい商品もあるため、長期積立を前提とする人には有力な選択肢です。
解禁後にビットコインETFが投資家にもたらすメリット
国内ETFが解禁された場合、投資家にはさまざまなメリットが期待できます。
- 証券口座ひとつで売買できる手軽さ。新たに暗号資産取引所の口座を開く必要がない
- 申告分離課税による税負担の軽減。最大55%から20%へ移行する見込み
- NISAなどの非課税制度との将来的な親和性。長期積立の選択肢が広がる可能性
- 機関投資家マネーの流入による市場の成熟。価格発見機能の改善や流動性の向上が期待できる
- ウォレット管理の手間がない安心感。秘密鍵の紛失リスクやハッキング被害を心配せずに済む
特に、これから資産運用を始める若い世代や、長期目線での資産分散を考えている方にとっては、従来の株式・債券・コモディティに加えて「暗号資産」をポートフォリオに組み入れるハードルが大幅に下がることが、最大の意義といえるでしょう。
解禁を待つ間に押さえておきたい3つのポイント
解禁を心待ちにしている間に、投資家として準備できることもあります。
① 自分のリスク許容度を再確認する
ビットコインは依然として価格変動の大きい資産です。ETFという形で買いやすくなっても、価格が動く性質そのものは変わりません。ポートフォリオに占める暗号資産の比率を事前に決めておくと、上昇局面でも下落局面でも冷静に対応できます。
② 税制の最新動向をウォッチする
申告分離課税への移行や損益通算の扱いは、投資判断に直結する大切な論点です。制度が変わるタイミングで売買のタイミングを調整することで、トータルリターンを大きく改善できる可能性があります。
③ 信頼できる情報源を持っておく
解禁前後は新しい商品や制度に関する情報が一気に増えます。金融庁や取引所の公式発表など一次情報を確認する習慣をつけておけば、誤った情報に振り回されずに済みます。
まとめ
日本国内でのビットコインETF解禁は、長らく「夢物語」と語られてきましたが、ようやく具体的なスケジュール感をもって語れる段階に入りました。2026年度の税制改正大綱で道筋が示され、2028年にも東証への上場が見込まれる状況は、暗号資産投資家にとって大きな追い風です。それまでの間も、国内取引所での現物購入や海外証券会社経由のETF投資、関連株や投資信託など、すでにさまざまな選択肢が存在します。自分のリスク許容度や運用目的に合わせて方法を選び、解禁のタイミングに向けて準備を進めていきたいところです。
ビットコインETFは日本でいつ買える?解禁時期と購入方法を徹底解説のポイントをまとめました
本記事では、ビットコインETFが日本でいつ買えるようになるのかという疑問を起点に、現時点で買えない理由、2028年解禁の見通し、SBIや野村など大手金融グループの商品開発の動き、そして解禁を待つ間に取り得る現実的な投資手段までを整理しました。制度・税制の両面で前向きな変化が進んでおり、日本の暗号資産投資環境はこれから一段と成熟していくと期待できます。今のうちから情報をアップデートし、ご自身の資産形成プランの中にビットコインをどう組み込むかをじっくり検討してみてください。



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