年間取引報告書の基礎知識
仮想通貨取引を行う際に欠かせない書類が年間取引報告書です。これは仮想通貨取引所が発行する1年間の取引履歴をまとめた重要な書類で、確定申告時に必ず必要となります。
年間取引報告書には、購入金額・売却金額・損益などの詳細な取引情報が記載されており、国税庁の「暗号資産の計算書」に転記することで、確定申告に必要な所得金額を算出できます。仮想通貨による所得は日本の税制上、基本的に雑所得として扱われるため、正確な申告には欠かせない書類となります。
多くの国内取引所では、1月中旬を目途に前年分の年間取引報告書を発行しています。例えば、2025年の取引分については、2026年1月中旬から下旬にかけて各取引所から交付されるスケジュールとなっています。
年間取引報告書に記載される情報
年間取引報告書には、確定申告に必要な多くの情報が含まれています。具体的には以下のような項目が記載されます。
取引サマリー情報としては、1月1日における保有数量(期首数量)、1年間に取得した数量(購入数量)、1年間の購入数量を取得時のレートで円換算した金額(購入金額)が含まれます。さらに、1年間に売却した数量(売却数量)と、売却時のレートで円換算した金額(売却金額)も記載されます。
加えて、ウォレット間の移動に関する情報として、1年間に入庫した数量(移入数量)と1年間に出庫した数量(移出数量)も記載されます。レンディングサービスを利用している場合は、1年間に貸出した数量(貸出数量)も含まれることがあります。
これらの情報は、暗号資産の計算書を作成する際の基礎資料となり、正確な所得計算に不可欠です。
主要取引所での年間取引報告書の取得方法
仮想通貨取引所ごとに、年間取引報告書の取得方法は若干異なります。主要な取引所での具体的な手順を紹介します。
ビットバンクでの取得方法
ビットバンクでは、2025年分の年間取引報告書について、現物取引・信用取引分それぞれの電子交付が完了しています。各年間取引報告書は、ログイン後の資産画面より確認が可能です。年間取引報告書のダウンロード(CSV形式)については、パソコンからのダウンロードが推奨されています。
SBI VCトレードでの取得方法
SBI VCトレードでは、ログイン後に「レポート」→「年間取引報告書」の順に進み、対象年度を選択してダウンロードします。PDF形式で発行され、総平均法での計算結果が記載されています。2025年の年間損益報告書は、2026年1月19日に交付されました。年間損益報告書は、アプリまたはWebサイトからダウンロードいただけます。
なお、フレア(FLR)のラップおよびデリゲートに関わる取引は、年間損益報告書には含まれないため注意が必要です。
GMOコインでの取得方法
GMOコインでは、会員ページにログイン後、「入出金・履歴」→「取引履歴・証明書」→「年間取引報告書」の順に進み、対象年度を選択してダウンロードします。PDF形式で発行され、暗号資産ごとの損益が記載されています。年間取引報告書は、通常1月下旬以降に発行されます。
GMOコインでは、取引所取引と販売所取引の両方の履歴が含まれるため、内容をよく確認することが重要です。レバレッジ取引を行っている場合は、別途レバレッジ取引の報告書も確認する必要があります。
OKCoinでの取得方法
OKCoinでは、ログイン後、資産管理ページから「年間取引報告書」のPDFファイルを閲覧可能です。1月1日~12月31日までの1年間の取引が対象となり、前年12月31日16:00~12月31日16:00の取引データを集計しています。
複数取引所を利用している場合の注意点
多くの仮想通貨トレーダーは、複数の取引所を利用して取引を行っています。確定申告には、各取引所が発行する年間取引報告書がすべて必要となります。
仮に取引所ごとの画面で利益を確認しても、それだけでは正確な金額にはなりません。実際には、取引所間の移動やコイン同士の交換、NFTの購入といった動きも含めて損益を計算しなければならないため、ウォレットやサービスごとに分散している取引履歴を年末までにすべて収集し、時系列に沿って整理しておくことが重要です。
複数の取引所から年間取引報告書を取得した場合、それらを統合して正確な所得計算を行う必要があります。この作業は手間がかかりますが、確定申告の正確性を確保するために欠かせません。
年間取引報告書を使った所得計算方法
年間取引報告書を取得した後、確定申告に向けた所得計算を行う必要があります。国税庁が提供する「暗号資産の計算書(総平均法用)」を使えば、取引所の年間取引報告書のデータを転記するだけで自動計算できます。
総平均法による計算
総平均法は、1年間の購入金額の合計を購入数量の合計で割って平均単価を算出する方法です。年間を通じて一律の単価を適用するため、計算が比較的簡単です。
例えば、1年間で3回ビットコインを購入し、購入金額の合計が480万円、購入数量の合計が4BTCだった場合、平均単価は480万円÷4BTC=120万円となります。この平均単価を使って、売却時の所得を計算します。
総平均法は多くの個人トレーダーが採用する方法で、計算プロセスが明確であり、国税庁の計算書を使用することで誤りを最小限に抑えることができます。
確定申告に向けた準備のポイント
年間取引報告書を活用した確定申告を円滑に進めるためには、いくつかの準備が必要です。
取引履歴の整理
正確な申告には、取引履歴だけでなく経費やNFT、ステーキング報酬などの特殊な取引の整理も欠かせません。利益から経費を差し引いた分が所得となるため、年内の仮想通貨取引に関する出費もまとめておかなければいけません。
取引所間の移動、異なる暗号資産間の交換、NFTの購入など、様々な取引形態が存在します。これらすべてを時系列に沿って整理することで、正確な損益計算が可能になります。
経費の把握
仮想通貨取引に関連する経費は、所得から控除することができます。取引手数料、ウォレットソフトウェアの購入費、取引に関連する教育費など、様々な経費が対象となる可能性があります。これらを年内に整理しておくことで、申告時の所得を適切に計算できます。
書類の保管
2025年分の申告であれば、2026年3月16日から起算して5年~7年間の書類保管が必要となります。年間取引報告書をはじめ、取引に関連するすべての書類を適切に保管しておくことが重要です。
年間取引報告書の交付スケジュール
仮想通貨取引所から年間取引報告書が交付されるタイミングは、確定申告の準備を進める上で重要な情報です。
多くの主要取引所では、1月中旬から下旬にかけて前年分の年間取引報告書を交付しています。例えば、2025年の取引分については、各取引所が2026年1月中旬から下旬にかけて交付を完了しています。
確定申告の期限は通常3月15日(その年によって若干異なる場合があります)となるため、1月中旬から下旬に交付される年間取引報告書を受け取った後、十分な時間をかけて申告書を作成することができます。
ただし、取引所によっては交付作業に時間を要する場合もあるため、早めに取引所のお知らせを確認し、年間取引報告書の交付状況を把握しておくことが推奨されます。
デジタル化による利便性向上
近年、仮想通貨取引所では年間取引報告書の電子交付が進んでいます。これにより、ユーザーはいつでもどこからでも必要な書類にアクセスできるようになりました。
多くの取引所では、ログイン後のマイページから年間取引報告書をPDF形式またはCSV形式でダウンロードできるようになっています。CSV形式でのダウンロードは、データを他のツールで処理する際に便利です。
電子交付により、紙の書類を保管する手間が削減され、必要な時にいつでも書類を確認・再ダウンロードできるようになりました。これは確定申告の準備をより効率的に進める上で大きなメリットとなっています。
年間取引報告書以外に必要な情報
確定申告を行う際には、年間取引報告書だけでは不十分な場合があります。特に複雑な取引を行っている場合は、追加の情報が必要となることがあります。
例えば、複数の取引所間での資金移動、異なる暗号資産間の交換、ステーキングやレンディングによる報酬の受け取り、NFTの購入と売却など、様々な取引形態が存在します。これらの取引について、年間取引報告書に記載されていない情報がある場合は、各取引所の取引履歴画面から詳細情報を確認する必要があります。
また、仮想通貨取引所以外のサービス(ウォレット、DeFiプラットフォーム、NFTマーケットプレイスなど)での取引がある場合は、それらのサービスからも取引履歴を取得し、統合して申告する必要があります。
まとめ
年間取引報告書は、仮想通貨の確定申告に欠かせない重要な書類です。仮想通貨取引所が発行するこの書類には、1年間の取引履歴が詳細に記載されており、正確な所得計算の基礎となります。多くの取引所では1月中旬から下旬にかけて交付され、ログイン後のマイページからダウンロードできます。複数の取引所を利用している場合は、各取引所から年間取引報告書を取得し、統合して申告する必要があります。国税庁の「暗号資産の計算書」を使用することで、年間取引報告書のデータを転記するだけで自動計算できるため、確定申告の準備をより効率的に進めることができます。
確定申告に必須!仮想通貨の年間取引報告書の見方と使い方をまとめました
仮想通貨取引を行う個人トレーダーにとって、確定申告は避けて通れない重要な手続きです。その確定申告を正確に行うために最も重要な書類が、仮想通貨取引所が発行する年間取引報告書です。この書類には1年間の取引履歴が詳細に記載されており、所得計算の基礎となります。本記事で紹介した取得方法や活用方法を参考にして、スムーズな確定申告準備を進めてください。年間取引報告書を適切に活用することで、正確で効率的な申告が可能になります。



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