暗号資産の中でも時価総額2位を誇るイーサリアム(ETH)は、2022年以降、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)型のネットワークへと移行し、保有するだけで報酬が得られるステーキングという新しい運用手段が大きな注目を集めています。「イーサリアムステーキングはいつから始まったのか?」という素朴な疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、イーサリアムステーキングの歴史を時系列で整理し、国内取引所の対応状況や始め方のポイントまで、幅広く分かりやすく解説します。
イーサリアムステーキングはいつから始まったのか
結論から言うと、イーサリアムのステーキングが実質的にスタートしたのは2020年12月1日のことです。この日、イーサリアムの次世代チェーンである「ビーコンチェーン(Beacon Chain)」がローンチされ、ETHをロックして検証作業に参加するバリデーターが初めて誕生しました。
ただし、それ以前の2020年11月5日には、ステーキングデポジット・コントラクト(入金用スマートコントラクト)が公開されており、ユーザーはこの時点からETHを預け入れ始めていました。短期間で規定のETHが集まったことで、予定どおりビーコンチェーンが稼働を開始したという流れです。
つまり、イーサリアムステーキングの歴史的な起点は2020年12月1日であり、この日がPoSへ舵を切るための重要な一歩だったと位置付けられます。
ビーコンチェーン稼働前のイーサリアムはどうだった?
ステーキングが始まる前のイーサリアムは、ビットコインと同じくプルーフ・オブ・ワーク(PoW)で運用されていました。マイナーが膨大な計算処理を行い、その対価として新規発行されたETHを受け取る仕組みです。
しかしPoWには、以下のような課題が長らく指摘されてきました。
- 大量の電力を消費する点
- マイニング機材を持つ一部の事業者に報酬が集中しやすい点
- 処理性能の拡張が難しい点
こうした課題を解決するため、早い段階からPoSへの移行計画が構想され、その第一歩としてビーコンチェーンが導入されたのです。ここがステーキング時代の幕開けと言えます。
ステーキング時代を決定づけた「The Merge」
2020年のビーコンチェーン稼働から約2年後、イーサリアムの歴史において最大級のアップグレードが実施されました。それが2022年9月15日の「The Merge(ザ・マージ)」です。
The Mergeでは、それまでPoWで動いていたメインチェーンと、PoSで動いていたビーコンチェーンが統合されました。これにより、イーサリアムのブロック生成は完全にステーキングベースに切り替わり、マイニングは役目を終えることとなります。
The Mergeがもたらした変化は次のとおりです。
- ネットワーク全体の消費電力が約99.95%削減された
- 新規発行量が大きく減少し、ETHの希少性が高まった
- ステーキングがネットワークの根幹を支える存在になった
この時点から、イーサリアムは名実ともに「ステーキングの暗号資産」として新たなステージに入りました。
2023年4月「上海アップグレード」で一気に身近に
ビーコンチェーン稼働当初は、一度ステーキングに回したETHを引き出すことができないという大きな制約がありました。この制限が解除されたのが、2023年4月13日に実施された「上海(Shanghai/シャペラ)アップグレード」です。
このアップグレードにより、長らくロックされていたステーキング済みのETHと報酬が、初めて出金可能になりました。これは投資家心理に大きく影響した出来事で、流動性が担保されたことで一般ユーザーもステーキングに参加しやすい環境が整ったといえます。
上海アップグレード以降、全世界のステーキング残高は急増し、3000万ETH規模まで積み上がるほどの人気ぶりを見せています。ステーキングはいまや「機関投資家も個人も利用する定番の運用手段」として定着しました。
日本国内取引所でのETHステーキングはいつから?
海外では早くから提供されていたETHステーキングですが、日本国内の取引所がサービスを提供し始めたのは上海アップグレード直後の2023年以降のことです。ここでは、国内の主要サービスの対応時期をまとめます。
2023年:国内初のETHステーキングが登場
国内で初めてイーサリアムのステーキングサービスを開始したのは、SBI VCトレードです。上海アップグレードの影響を受け、2023年5月1日からETHおよびソラナ(SOL)を対象とするステーキングに対応しました。これは国内における大きなマイルストーンであり、日本の投資家が安心して円建てでETHステーキングに参加できる環境が初めて整った瞬間でした。
続いてBITPOINT(ビットポイント)も、2023年夏以降にイーサリアムのステーキングに対応。国内でも「預けるだけでETHが増える」という選択肢が一般化し始めました。
2024年:ステーキング対応の動きが広がる
2024年には、SBI VCトレードが国内のステーキング銘柄数トップクラスに成長したほか、各社が独自キャンペーンを展開するなど、利用者獲得競争が活発化しました。ステーキング報酬の利率はおおむね年率3%前後で推移し、銀行預金とは比べ物にならない水準で注目を集めました。
2025年:大手取引所が相次いで参入
2025年に入ると、国内大手の取引所が続々とETHステーキングに対応しました。
- GMOコイン:2025年1月18日のメンテナンス後からETHステーキングを開始
- Coincheck(コインチェック):2025年1月以降に提供開始
- bitFlyer(ビットフライヤー):2025年内にETHステーキングサービスを正式ローンチ
これにより、国内の主要な暗号資産取引所のほとんどがETHステーキングに対応する状況が整い、日本のユーザーにとってETHの長期保有の選択肢が一気に広がりました。
そもそもイーサリアムステーキングとは?仕組みをおさらい
イーサリアムステーキングとは、ETHをネットワークに預けて取引の検証を手伝うことで、その対価として新規発行のETHを報酬として受け取る仕組みです。
ステーキングには以下のパターンがあります。
- ソロステーキング:32ETHを自前のバリデーターにロックして運用する
- プールステーキング:複数人でETHを持ち寄って少額から参加する
- 取引所ステーキング:国内外の取引所が代行してくれる最も手軽な方法
- リキッドステーキング:ステーキング中でも自由に動かせる派生型
初心者や日本国内ユーザーにとっては、取引所ステーキングが最も扱いやすく、リスク管理の面でも安心感があります。
ETHステーキングのメリットと注意点
メリット
- 保有しているだけで報酬が増える(年率3%前後が目安)
- 複利運用が可能で、長期保有に相性が良い
- 取引所経由なら申し込みがシンプルで、自動で参加できるケースが多い
- ネットワークの安全性向上に貢献できるという社会的意義
知っておきたい注意点
- 価格変動のリスクはステーキング中も続く
- サービスによってはロック期間や解除日数がある
- 報酬は変動するため、利率は将来保証されていない
- 税制上は報酬受取時に所得として扱われる点に注意
これらを理解したうえで、無理のない範囲でETHを長期運用していくことが大切です。
これからイーサリアムステーキングを始める人へ
ETHステーキングは、2023年の上海アップグレード以降、いつでも柔軟に出金できる仕組みへと進化しました。加えて2025年には国内大手の取引所がそろって対応を完了し、環境はかなり整っています。
これから始める方は、以下のステップを意識するとスムーズです。
- 国内の信頼できる取引所に口座開設する
- ETHを購入する
- 取引所のステーキングサービスに申し込む(多くは自動対応)
- 定期的に報酬をチェックし、長期目線でコツコツ積み上げる
短期売買とは異なる、ゆったりとした資産運用の形として、ETHステーキングは非常に魅力的な選択肢です。
まとめ
イーサリアムのステーキングは2020年12月1日のビーコンチェーン稼働によって実質スタートし、2022年9月のThe Mergeでネットワークの中心に据えられ、2023年4月の上海アップグレードで出金が可能となり、誰でも参加しやすい運用手段へと発展しました。国内取引所も2023年以降に次々と対応し、2025年には大手各社がほぼ出揃い、日本のユーザーにとっても一気に身近な選択肢となっています。
イーサリアムステーキングはいつから始まった?歴史と国内取引所の対応状況を徹底解説
ETHステーキングは、ネットワークの進化とともに少しずつ成熟し、今やグローバルでも日本でも定番の運用手段となりました。2020年のビーコンチェーン稼働から始まり、The Merge、上海アップグレードを経て、2025年には国内取引所での利用環境も整備完了。これから始める方でも、取引所を通じて気軽に参加でき、長期的な資産形成の手段として非常に有効です。仕組みや歴史を押さえ、自分のペースでイーサリアムとの付き合い方を育てていきましょう。



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